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2005 年度 実績報告書

熱ショック応答システムを介するタンパク質の安定化

研究課題

研究課題/領域番号 17028038
研究機関山口大学

研究代表者

中井 彰  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60252516)

研究分担者 藤本 充章  山口大学, 医学部, 講師 (80359900)
キーワード熱ショック / 転写因子 / ポリグルタミン / 線毛 / マウス
研究概要

熱ショック蛋白質(Hsp)は、蛋白質の変性や凝集などを感知し分子シャペロンとして蛋白質の品質管理を行っている。これまでに、Hspの高発現は蛋白質の凝集体形成を特徴としたポリグルタミン病などの病態進行に対して抑制的に働くことが知られている。我々は、Hspの転写を制御する熱ショック転写因子HSF1の活性型変異体を作成し、凝集体形成に及ぼす効果を細胞とマウスモデルで解析した。
活性型HSF1は野生型HSF1と比較して顕著に一群の熱ショック蛋白質の発現レベルを上げた。それらの発現と一致して、活性型HSF1は病的に伸長したポリグルタミンの凝集体形成に対して、個々のHspよりも細胞レベルで顕著に抑制活性が高いことがわかった。アデノウイルスによる熱ショック蛋白質群の発現ベクターを用いて複数のHspの発現を誘導して凝集体抑制活性を調べたところ、どの組み合わせも活性型HSF1の抑制活性にははるかに及ばなかった。この結果は、活性型HSF1がHsp以外にも未知の遺伝子の発現調節を行うことでより強く凝集体形成を抑制することを示唆している。この活性型HSF1を脳神経細胞以外の骨格筋や心筋細胞などで高発現するトランスジェニックマウスHSF1Tgと、脳細胞を含む多くの組織で凝集体を形成するハンチントン病モデルマウス(R6/2)を交配させた。その結果、活性型HSF1の発現により筋細胞での凝集体形成は低下し、筋細胞の障害も軽減していた。興味深いことに、このR6/2-HSF1Tgは神経障害の改善が見られないにもかかわらず顕著な寿命の延命が認められた。以上の結果から、HSF1を活性化する薬剤は脳血液関門の通過の有無にかかわらず神経変性疾患に有効であることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] PDSM, a motif for phosphorylation-dependent SUMO modification2006

    • 著者名/発表者名
      Hietakangas et al.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103

      ページ: 45-50

  • [雑誌論文] Maintenance of olfactory neurogenesis requires HSF1, a major heat shock transcription factor in mice2006

    • 著者名/発表者名
      Takaki et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 281

      ページ: 4931-4937

  • [雑誌論文] Active HSF1 significantly suppresses polyglutamine aggregate formation in cellular and mouse models2005

    • 著者名/発表者名
      Fujimoto et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 280

      ページ: 34908-34916

  • [雑誌論文] Geranylgeranylacetone, a heat shock protein inducer, prevents acoustic injury in the guinea pig2005

    • 著者名/発表者名
      Mikuriya et al.
    • 雑誌名

      Brain Res. 1065

      ページ: 107-114

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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