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2006 年度 実績報告書

1分子計測による小胞体内動的構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17028045
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

和田 郁夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40182969)

研究分担者 橋本 仁志  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50372826)
キーワード小胞体 / 蛍光相関分光法 / 全反射顕微鏡 / 糖タンパク質 / 1分子観察
研究概要

分泌系における新生タンパク質の動きの制御を理解するために、生細胞での内腔での1分子観察を検討した。これまでも、蛍光相関分光法(FCS)による解析は行ってきたが、FCSでは基本的に既存のモデルへのfittingによる解析であり、個々の分子の動き自体は知ることができない。小胞体は細胞膜と結合したオルガネラなので、エバネッセント照明を用いる全反射顕微鏡による1分子観察が可能と考えて、観測を行った。その結果、生存時間の短い輝点が観測され、個々の輝点は、FCSで予測される拡散係数で変位することがわかった。生存時間も変位と相関するはずなので、これを一次元ブラウン運動と見なし、first passage time解析を行うと、この次元における拡散係数を得ることができ、この2次元とz軸方向の拡散係数を用いることで、小胞体内腔での個々の分子の動きについて解析することが可能となった。
これらの手法を用いて、カーゴ蛋白の軌跡を解析したところ、N型糖鎖を持つ場合には、顕著な一時的な拘束が起こり、これは膜表面へのごく短時間の結合によることが示された。これは、フォールディングには依存せず、カルネキシンとは関係しない。現時点では、この受容体は明らかではないが、分泌タンパク質のうちの9割以上を占める糖タンパク質の分子間衝突の制御に関与する可能性が考えれる。
これまで仮定されてきたように、多くの小胞体内カーゴ分子の変位は、ブラウン運動の特性を示した。しかし、一部は、flowの特性や、confined movementの特徴を持ち、その割合は分子の成熟化との関連において変化することが明らかにされた。このような研究により、これらの動きと、分子運命の関連、及び制御機構について研究を進めることが可能となった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Meltrin beta/ADAM19 Mediates Ectodomain Shedding of Neuregulin beta1 in the Golgi Apparatus : Fluorescence Correlation Spectroscopic Observation of the Dynamics of Ectodomain Shedding in Living Cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Tomoichi Yokozeki
    • 雑誌名

      Genes to Cells 12・3

      ページ: 329-343

  • [雑誌論文] EDEM3, a soluble EDEM homolog, enhances glycoprotein ERAD and mannose trimming.2006

    • 著者名/発表者名
      Kazuyoshi Hirao
    • 雑誌名

      J Biol Chem 281・14

      ページ: 9650-9658

  • [雑誌論文] EDEM accelerates ERAD by preventing aberrant dimer formation of misfolded alphal-antitrypsin2006

    • 著者名/発表者名
      Nobuko Hosokawa
    • 雑誌名

      Genes to Cells 11・5

      ページ: 465-476

  • [雑誌論文] Involvement of Syntaxin 18, an Endoplasmic Reticulum (ER)-localized SNARE Protein, in ER-mediated Phagocytosis.2006

    • 著者名/発表者名
      Kiyotaka Hatsuzawa
    • 雑誌名

      Mol Biol Cell 17・9

      ページ: 3964-3977

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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