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2005 年度 実績報告書

新規RING型ユビキチンリガーゼ複合体のタンパク質品質管理における役割

研究課題

研究課題/領域番号 17028048
研究機関大阪市立大学

研究代表者

徳永 文稔  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (00212069)

研究分担者 岩井 一宏  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60252459)
キーワード酵素 / 細胞・組織 / 蛋白質
研究概要

鉄代謝制御因子(IRP2)は細胞内鉄濃度が高い場合には、生成されたヘムに結合したのち酸化修飾され、ユビキチン・プロテアソーム分解される。我々は、酸化修飾されたIRP2を認識するユビキチンリガーゼ(E3)として、RING型E3のHOIL-1(Heme-oxidized IPR2 ligase-1)を同定した。IRP2の鉄(ヘム)依存性分解には相同蛋白質であるIRP1にはない73残基の挿入領域(IDD,iron dependent degradation domain)が重要であると明らかにされているが、IRP2の鉄濃度センサー機構やHOIL-1によるIRP2品質管理の詳細は不明であった。そこで今回、まずIRP2の鉄(ヘム)依存性分解におけるIDDの役割を明らかにするため、IRP2からIDD領域を欠失した変異体およびIRP1にIDDを導入した変異体で鉄濃度依存性分解を調べたところ、IDDに依存し変異体のプロテアソーム分解がみられた。また、IRP2やIDD領域を3価のヘムと反応させるとCys配位に特徴的なソーレー帯をもつ分光スペクトルを与え、IDD領域のCys^<201>が軸配位子として機能した。さらに、2価のヘムはHis^<204>に配位した。Cys^<201>-Pro-X-His^<204>配列は他のヘム結合蛋白質にも見られるヘム制御モチーフ(HRM)に類似しており、このCysとHisの両方をAlaに置換するとIRP2のヘム依存性分解は見られなかった。また、HOIL-1はIRP2のHRMを認識し、特にIRP2に特徴的なHis^<204>が重要な役割を果たしていた。以上の結果はIRP2のIDD領域に存在するヘム制御モチーフがヘムとの結合したのち、分子内に酸化修飾がおこるとHOIL-1がHRMを認識しユビキチン・プロテアソーム分解へ導くことを示す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of endoplasmic reticulum-associated degradation of a protein S mutant identified in a family of quantitative protein S deficiency2006

    • 著者名/発表者名
      Tsuda H., et al.
    • 雑誌名

      Thromb.Res. 117

      ページ: 323-331

  • [雑誌論文] Involvement of heme regulatory motif in heme-mediated ubiquitination and degradation of IRP22005

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa H., et al.
    • 雑誌名

      Mol.Cell 19

      ページ: 171-181

  • [図書] 実験医学増刊 細胞内タンパク質の社会学2005

    • 著者名/発表者名
      徳永 文稔
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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