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2006 年度 実績報告書

HSP47はいかにしてコラーゲンの構造形成を助けているのか

研究課題

研究課題/領域番号 17028051
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

小出 隆規  新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (70322253)

キーワードコラーゲン / 分子シャペロン / ペプチド / フォールディング / 小胞体
研究概要

HSP47はプロコラーゲンの生合成に重要な分子シャペロンである。HSP47は臓器の線維化において正の調節因子として働いていることが明らかであるため、肝硬変や肺線維症に対する治療薬開発のための分子ターゲットとしでも注目されている。
我々は、HSP47が正しくフォールディングしたのちのコラーゲン3重らせんを認識することを明らかにした。このような性質は、シャペロンがunfolded/misfolded蛋白質を認識して結合するという一般的な概念とは異なるものである。我々は、HSP47が、熱的に不安定なプロコラーゲンの3重らせん部分のスタビライザーとして機能するという仮説を提唱している。しかし、ケミカルシャペロンやモデルペプチドの利用など、様々な実験系を用いてこの仮説の検証をこころみているもののいまだに確定的な結論は得られていない。
一方、HSP47のコラーゲン認識機構の解析は進展した。コラーゲンモデルペプチドを主に利用した解析手法をもちいて、HSP47が認識する結合モチーフを同定した。すなわち、HSP47は同一ポリペプチド上に存在する2つのアミノ酸残基を認識して結合し、その高アフィニティー結合モチーフは{-Gly-X-(Thr/Pro)-Gly-X-Arg-}と記述できることが明らかになった。
結合モチーフが一次構造で記述可能であることがわかったので、ゲノムデータベースからHSP47のクライアントとなるタンパク質を予測・抽出する検索プログラムを構築し、検索を実施した。その結果、コラーゲンファミリー蛋白質の中には、HSP47結合モチーフを持たないものも存在することが明らかになった。このような情報は、HSP47のシャペロン機能の解明に役立つだけでなく、クライアント特異的な分子シャペロンとそのクライアント蛋白質との共進化を考察する上でも興味深いものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Designed triple-helical peptides as tools for collagen biochemistry and matrix engineering2007

    • 著者名/発表者名
      Takaki Koide
    • 雑誌名

      Philosophical Transaction of Royal Society.B (印刷中)

  • [雑誌論文] Specific recognition of the collagen triple helix by chaperone HSP47. II. The HSP47-binding structural motif in collagens and related proteins2006

    • 著者名/発表者名
      Takaki Koide
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 281

      ページ: 11177-11185

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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