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2005 年度 実績報告書

リソソームへのタンパク質輸送の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 17028052
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

梅林 恭平  国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (60321733)

研究分担者 吉森 保  国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 教授 (60191649)
キーワード感染症 / 癌 / 細菌 / 細胞・組織 / シグナル伝達
研究概要

上皮増殖因子(EGF ; epidermal growth factor)受容体は,EGFに結合して増殖シグナルを発信した後に,細胞膜からエンドサイトーシス経路を通ってリソソームへ運ばれて分解される.この経路では,受容体のユビキチン化が輸送シグナルとして機能することが知られている.ユビキチンリガーゼであるCb1の局在を調べたところ,従来考えられていた細胞膜ではなく,むしろエンドソームに局在することが明らかになった.このことは,ユビキチン依存的な受容体の選別がエンドソームで行われ,さらにエンドソームでEGFシグナリングが起こる可能性を示唆するものである.次に,Cb1はエンドソームからリソソームへ輸送される間にEGF受容体から離れ,AAAタイプATPaseであるSKD1が,受容体とCb1を解離させることを強く示唆する結果を得た.SKD1の機能を阻害すると,受容体の輸送がエンドソームで止まり,Cb1とずっと結合した受容体のユビキチン化が亢進した.ユビキチン化を完了させる分子メカニズムについては全く分かっていなかったが,基質とリガーゼがSKD1のような分子シャペロンによって引き離される可能性が浮上した.
エンドサイトーシス経路は,細菌やウイルスの細胞内侵入に利用される場合もある.歯周病菌の侵入メカニズムについて調べたところ,宿主細胞膜のコレステロールに富んだドメインが,菌が侵入する際の足場として必要であることを明らかにした.
オートファジー経路については,オートファゴソーム形成に必要なAtg9タンパク質がゴルジ体に局在することを示した.また,この経路は細胞質のタンパク質を非選択的に分解することが知られていたが,小胞体に蓄積した異常タンパク質の除去にも関わることを明らかにした.これは,アンチトリプシン欠損症の原因となる,アンチトリプシンZ変異型の分解機構の研究から得られた知見である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Intracellular inclusions containing mutant α_1-antitrypsin Z are propagated in the absence of autophagic activity2006

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Kamimoto
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 281

      ページ: 4467-4476

  • [雑誌論文] Endothelial-nitric-oxide synthase antisense (NOS3AS) gene encodes an autophagy-related protein (APG9-like2) highly expressed in trophoblast2005

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Yamada
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 280

      ページ: 18283-18290

  • [雑誌論文] Molecular dissection of internalization of Porphyromonas gingivalis by cells using fluorescent beads coated with bacterial membrane vesicle2005

    • 著者名/発表者名
      Kayoko Tsuda
    • 雑誌名

      Cell Structure and Function 30

      ページ: 81-91

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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