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2006 年度 実績報告書

フォトニックバンドギャップを有するソフトマテリアルの構築とそのセンサーデバイスへ

研究課題

研究課題/領域番号 17029031
研究機関名古屋大学

研究代表者

竹岡 敬和  名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20303084)

キーワードコロイド結晶 / 構造色 / ゲル / 二状態スイッチング
研究概要

従来の研究では、ゲルの長さを測定することで、網目を構成する高分子鎖の拡がり具合を評価できることがわかっていた。本研究では、コロイド結晶を鋳型に用いて構造色を示すポーラスゲルを作ることで、光の波長ほどの周期で屈折率が変化する構造をゲル内に導入すると、分子レベルの挙動を色の変化として観測できるようになることを明らかにした。本研究において確立した構造色を示すゲルを作る方法は、光応答性ゲル、電場応答性ゲル、分子認識ゲルなど、様々なゲルに対して適用することができる。光応答性を示す性質を付与した構造色ゲルは、光の照射に伴って構造色の二状態変化を示すようになった。この特性を利用すると、フォトマスクで光を照射したところのみ色が変化するフォトクロミックゲルが得られるようになる。最近では、環動ゲルというこれまでのゲルと比べて機械的強度が改良されたゲルにも構造色を発現させることができた。環動ゲルを用いることで、ゲルの機械的強度も強くなることから、構造色変化の繰り返し変化能の向上が実現できると思われる。また、モノマー組成や架橋剤の量などを予め調節すれば、同じ種類のゲルでも異なる色を示すようになる。このようなゲルは、環境センサーや化学センサーなどへの応用が期待できるだろう。
さらに、ポーラスな構造を導入したことで、一枚のゲル膜中に異なる膨潤度が共存可能になるため、本構造色ゲルでは複数の色が一枚のゲル上に表現できるようになった。このゲルは、迅速な色変化を引き起こすことが可能なことから、様々な刺激に応答して構造色の迅速な二状態スイッチングを示す系が得られる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Thermally-Adjustable Multicolor Photochromic Hydrogel2007

    • 著者名/発表者名
      Matsubara, K., Watanabe, M., Takeoka, Y.
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 46

      ページ: 1688-1692

  • [雑誌論文] 二段階鋳型重合法を用いた温度応答型ゲル微粒子単層組織化膜の作製2007

    • 著者名/発表者名
      酒井崇匡, 竹岡敬和, 関 隆広, 吉田亮
    • 雑誌名

      高分子論文集 64

      ページ: 45-49

  • [雑誌論文] ゲルの体積相転移2007

    • 著者名/発表者名
      永山國昭, 竹岡敬和
    • 雑誌名

      高分子 56

      ページ: 26-27

  • [雑誌論文] Visualizing Conformations of Subchains by Creating Optical Wavelength-Sized Periodically Ordered Structure in Hydrogel2006

    • 著者名/発表者名
      Takeoka, Y., Seki, T.
    • 雑誌名

      Langmuir 22

      ページ: 10223-10232

  • [雑誌論文] Preparations and optical properties of ordered arrays of submicron gel particles : Interconnected state and trapped state2006

    • 著者名/発表者名
      Kumoda, M., Watanabe, M., Takeoka, Y.
    • 雑誌名

      Langmuir 22

      ページ: 4403-4407

  • [雑誌論文] Electro- and Thermo- chromic Hydrogel as Full-color Indicator

    • 著者名/発表者名
      Ueno, K., Matsubara, K., Watanabe, M., Takeoka, Y.
    • 雑誌名

      Adv. Mater (印刷中)

  • [図書] 自然に学ぶ材料プロセッシング2007

    • 著者名/発表者名
      竹岡敬和他
    • 総ページ数
      370
    • 出版者
      三共出版

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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