虹色発光ゼオライトナノハイブリッド系:フォージャサイト型ゼオライトのスーパーケージ中にR発光中心としてEu(III)、G発光中心としてTb(III)、さらに増感分子ならびにB発光中心として4-アセチルビフェニルを包埋したナノハイブリッド系は、それぞれの成分比を変化させることにより可視光領域で発光色が大きな範囲で制御できる。さらに、温度と励起波長によっても発光色は変化し、これは分子あるいはナノ粒子単独では創出不可能な機能である。温度と励起波長による発光色変化は、4-アセチルビフェニルからのエネルギー移動が、Eu(III)ならびにTb(III)に起こるだけでなく、Tb(III)からEu(III)へのエネルギー移動も並行して進行するためであることがわかった。このナノハイブリッド系では、スーパーケージ内ならびに近傍のケージ内の発光中心間でエネルギー移動ネットワークが組まれており、温度と励起波長による発光色変化はネットワーク中におけるエネルギー分配が原因である。 ナノ酸化チタン多孔質膜上における水溶性ポルフィリンの会合形成と励起エネルギー制御:透明なナノ酸化チタン多孔質膜上にポルフィリンを吸着させ、pH制御された水中における吸収と発光挙動を調べた。これらの分子は膜表面上の吸着状態においてアイランドを作り、周囲水のpHに対応して、モノマーとJ会合体間の可逆的動的変化をする。また、そのとき、フォトルミネッセンスから、分子に与えられた光エネルギーは、モノマーでは単独分子の発光となり、会合体では、J会合体中の分子間エネルギー移動による消光が観測される。結果として、この系において吸収と発光におけるpHをトリガーとするスイッチングが観測されることがわかった。
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