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2005 年度 実績報告書

ナノ多孔体一酸化チタン複合体によるチューナブル分子選択光触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17029043
研究機関広島大学

研究代表者

犬丸 啓  広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80270891)

キーワード光触媒 / ナノ構造 / メソ多孔体 / 分子認識 / 分子選択性
研究概要

最近我々は,規則性ナノ多孔シリカ(細孔直径約3nm)に,酸化チタン微粒子(直径約30nm)を直接組み込んだナノ複合体の合成に成功し,この複合体が水中ノニルフェノールに対して分子選択的かつ高い光触媒作用を発現することを見出した。本研究では,このナノ複合体の分子選択性の発現機構をより詳細に調べるとともに,細孔径の精密制御やナノ構造制御による分子選択性のチューニングおよび活性向上を図ることを目的とした。この複合体のナノメートルレベルの構造を明らかにする目的で,TEM観察に加えて高分解能SEM観察を行った。我々が前に報告した方法で合成した複合体のSEM像では,平板状のかたまりの表面に,微粒子が少し付着したように見える。観測された微粒子の直径は20-30nmであり使用したTiO_2の粒径と一致した。TEM像との比較およびこの複合体が60wt%ものTiO_2を含んでいること,細孔解析の結果を考慮すると,平板上に見えるかたまりは,TiO_2微粒子が内部に埋め込まれたナノ多孔シリカであり,シリカに取り込まれなかった一部のTiO_2微粒子が表面に付着していると考えられる。表面に付着しているTiO_2微粒子の量を見積もることは容易ではないが,少量でも付着していると分子選択性を大きく下げる可能性がある。そこで,次に,複合体の新しい合成法を探索した。もっともよい結果を与えたのは,シランカップリング剤を用いて予めTiO_2微粒子の表面を疎水化した場合であった。この場合,SEM像では100-200nmのまゆ型の粒子が集合している様子が観察された。TiO_2微粒子はまったく観察されないことから,60wt%のTiO_2微粒子は全てナノ多孔シリカに取り込まれたと考えられる。TiO_2微粒子の大きさ(20-30nm)と含有量(60wt%)を考慮すると,数個のTiO_2微粒子が上記のまゆ型の粒子に含まれ,TiO_2微粒子が完全にナノ多孔シリカに包まれた複合体を合成することができた。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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