研究課題/領域番号 |
17029054
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大木 章 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20127989)
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研究分担者 |
高梨 啓和 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40274740)
中島 常憲 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (70284908)
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キーワード | 光触媒 / 酸化チタン / 活性アルミナ / ハイブリッド / 難除去性 / ヒ素 / セレン |
研究概要 |
1.吸着剤(活性アルミナ)表面に光触媒サイト(TiO_2)をもつハイブリッド吸着剤(HYD)を調製した。種々の調製条件を模索し、最適条件を見いだした。活性アルミナをそのまま用いてAs(III)の回分式吸着処理を行った場合は、除去率は30%程度であったが、光照射下でHYDを用いると、ほぼ100%の吸着・除去が達成できた。これは、As(III)が光触媒反応によって、吸着性の高いAs(V)に酸化され、効果的に吸着されたためである。 2.固液分離等のハンドリングを考慮すると、水処理にはカラム等の連続処理装置を用いる必要がある。HYBを充填したらせん型カラムを用いて連続処理装置を組み立て、As(III)溶液の処理を試みた。光照射の有無により吸着容量が大きく異なったので、カラム法においても光酸化-吸着機構により、効果的なAs(III)除去が可能であることがわかった。 3.Se(VI)の吸着・除去については、まず光触媒(TiO_2)と還元剤(ギ酸)を用いて、光照射下で回分式反応を行った。5h後には水相中のセレン濃度はほぼ0となり、器壁にSe(0)が析出した。ここに活性アルミナを添加しても結果はほとんど変わらなかったが、TiO_2のかわりにHYDを用いると器壁への吸着はほとんど起こらずに、HYD上にSe(0)が析出した。当初は、Se(VI)をSe(IV)へ還元し、HYD上へ可逆的に吸着することを目論んだが、還元反応がSe(IV)で止まらずにSe(0)まで進んだ。しかしながら、HYDを用いることで、セレンの回収性は向上することがわかった。この系をカラム等の連続処理装置へ応用するためには、Se(IV)で還元を止める必要があり、今後検討する。 4.ソルボサーマル法により調製したTiO2は、通常のものに比べてAs(III)の光酸化能力が向上することを見いだした。
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