研究課題/領域番号 |
17030009
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
西嶋 恭司 東海大学, 理学部, 教授 (40202238)
|
研究分担者 |
櫛田 淳子 東海大学, 理学部, 助手 (80366020)
河内 明子 東海大学, 理学部, 助教授 (70332591)
|
キーワード | ガンマ線 / 大気チェレンコフ望遠鏡 / 宇宙線 / 活動銀河核 / カンガルー / ブレーザー / 粒子加速 / ブラックホール |
研究概要 |
平成17年度は、PKS2155-304を45時間、H2356-309を32時間、それぞれオーストラリアのCANGAROO-III大気チェレンコフ望遠鏡を用いてステレオ観測を行った。いずれもオンソースのみのウォッブルモードでの観測で、PKS2155-304についてはトリガー閾値は700GeVであった。新しい解析コードを開発しており、ほぼ完成に近づいている。特に、Hillasパラメータを基にした最尤法による解析が進んでおり、PKS2155-304については、ライブタイムで約7,600秒分のデータについての予備的な結果として、1TeV以上のエネルギーに対して2.0×10^<-12>cm^<-2>sec^<-1>(10%Crab)のフラックス上限値(2σレベル)を得ている。有効検出面積は3.1×10^8cm^2であった。PKS2155-304は、H.E.S.S.グループがフォトンインデックス3.3を報告しており、300GeVで10%Crabを仮定すれば、1TeVで4%Crabと予想され、19事象の期待値に対して観測事象数は13事象で矛盾は無い。現在さらに解析の感度を上げ、同時に解析のエネルギー閾値を下げるための努力を行っている。また、Fisher Discriminant法によるクロスチェックも進行中である。また、H2356-309については、現在解析が進行中で、今のところ有意な信号を検出できていない。 クイックルック用解析プログラムの開発は、複数の望遠鏡によるステレオ事象のイメージ、軸の交点、フィットした到来方向などをモニター画面に表示できるようにした。ただ、オンラインでリアルタイムに解析するにはネットワークへの負荷が大きくDAQに影響を及ぼす可能性があるため、現在その影響を最小限に抑えるための工夫を検討中である。
|