研究概要 |
自治体の防災担当者などの噴火訓練危機管理訓練用ゲーミングシミュレーションサーバ開発のため,今年度はサーバの設置とソフトの開発を行った.サーバ掲載予定のソフトは,訓練用シナリオシミュレーションおよび訓練用ゲーミングソフトである.前者については,3つの火山のシナリオ(モデル火山は恵山,鳥海,九重)についてシナリオ作成を行い,北海道駒ヶ岳,十勝岳などで,シナリオ準備のための予備調査を行った.また,シナリオのリアリティを向上するために,小説家へのインタビューと十勝泥流発生時の人々の行動に関するドキュメントの収集を行った.後者については有珠火山をモデル火山とする噴火警戒避難ゲーム「リブラ2-ありす火山の噴火」の開発を行った. シナリオシミュレーションの開発の初期段階には,既存のハザードマップの内容についての検討を行った。この研究の副産物としてハザードマップそのものに関するいくつかの知見が得られた.研究協力者の伊藤の一連の論文,千葉・伊藤(2005),須藤・伊藤(2005),小林・渡辺・伊藤(2005),早津・伊藤・吉田(2005)がそれにあたる.また,ゲーミングシミュレーションサーバの将来の顧客である火山周辺の住民に関する研究を伊藤ほか(2006)で論文化した.噴火警戒避難ゲーム「リブラ2-ありす火山の噴火」については,林・赤塚(2006)で開発の途中経過についての論文を公表した.本ゲームについては,ゲームの内容,使用する道具等はすでに完成しているが,今後サーバ掲載し,オンラインでプレーできるように電子化を図る予定である.
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