爆発的火山噴火時の被害を軽減するには、予防対策としての爆発的火山噴火に対応できる社会基盤の整備および火山噴火発生時の避難システムの整備が必要である。そこで、本研究では、爆発的火山噴火に対応できる道路、公園、電力、通信などの整備方策を調査研究するとともに、緊急かつ大量避難を支える情報伝達、避難計画、防災機関の連携について調査研究を行った。 (1)雲仙普賢岳の火山災害(1990-1995)を対象に火山噴火に伴う各機関の対応を今日に至るまで時系列で整理して、噴火対策のシナリオ構築の資料を作成するためのデータベースを作成中である。また、関連する新聞記事、論文の収集を継続して実施している。 (2)爆発的噴火時の応急対策を迅速に行うために必要と考えられる噴火予知、火山観測、地域防災計画、社会基盤の整備等のあり方を雲仙普賢岳噴火、有珠山噴火、外国の火山噴火等の事例を資料収集およびヒアリング調査によりまとめた。また、爆発的噴火対応に活用可能な火山の監視技術や災害対応等を資料収集とヒアリング調査により整理した。特に、無人化施工技術の応急対策への活用、反射プリズムの火山監視への応用、リアルタイム地震防災システムなどを検討した。 (3)爆発的火山噴火時の大量避難を考えて、オープンスペースとしての機能を持つ道路、道の駅や公園を一時集合の場所として活用することや電力、通信、上水道、鉄道の機能を雲仙の火山災害を事例に整理してまとめた。
|