研究課題/領域番号 |
17032003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増谷 佳孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20345193)
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研究分担者 |
青木 茂樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80222470)
阿部 修 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50302716)
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キーワード | 拡散MRI / 拡散テンソル / 方向分解能 / 脳白質神経束 / 線維追跡 / モデリング / 形態・機能の統合 |
研究概要 |
本課題では、コンピュータ支援診断のための脳白質神経束の形態および機能情報を統合したモデリングにおいて、高方位分解能拡散MRイメージング(High Angular Resolution Diffusion Magnetic Resonance Imaging:以下HARD-MRI)のデータに対する新しい画像解析法および高精度なモデリング手法を開発することを目的としている。HARD-MRIデータより、形態情報である脳白質神経束を抽出することにより脳各部を結ぶ経路としての神経束形状のモデリングを行った後、経路上の状態を多方向の拡散パラメータを用いることにより、経路全体の機能、すなわち連絡線維の接続性の定量化を高精度で行なう手法を開発し、臨床データを用いて評価することが具体的な目的である。本年度の目的として以下の4つを設定し、成果を得た。 1.HARD-MRIデータに基づく脳白室線維束の形態モデリング 基本的には、これまでの研究成果である線維束の追跡法やベクトル場補間に基づく線維束形状モデリングの手法を発展させ、HARD-MRIの高精度な計測結果に基づくモデリングを行った。 2.HARD-MRIデータの収集 正常ボランティアの撮影を行い、データ収集を行った。 3.機能モデル検証のためのHARD-MRIに基づく拡散シミュレーションによる評価法の検討 Level-Set法を用いたシミュレーションにより、単純な線維追跡では不可能な接続性の評価を試みた。具体的には、Fast Marching法による物質拡散の速度関数を、テンソルなど、拡散係数プロファイルの局所定な情報に基づき設定することにより、腫瘍による接続性の低下の観察などを行った。 4.線維束ファントム・合成画像データの作成による評価法の検討 レーヨンなど、無機材料を基に、再現性のあるファントムの作成を行った。 また同時に、外科手術、放射線治療、診断などにおいて応用を行い、論文を発表している。
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