研究概要 |
本研究では「汎用臓器モデルの構築に関する研究」について,主に以下の2項目について研究をすすめ,成果が得られたので報告する. 1)固有画像による画像モデリング手法:候補陰影を含む関心領域内の全ての画素値を特徴量として認識に利用する手法を開発した.この手法は,陰影の「見た目(view)」を学習することができ,さらにCT値特徴量を部分(固有)空間法を用いて認識することによって,陰影の持つ主要な情報のみを抽出することができ,認識にあまり寄与しない特徴やノイズの影響を減少させることができるという特徴をもつ. 2)特徴の位置・相互依存性を考慮した臓器特徴マップモデルの構築:医用画像から病巣を検出する医用画像認識の問題において,対象臓器の各部分構造の位置と画像特徴とがどのような関係をもつか,またそれらの特徴がどのような相互関係をもつかは,高精度認識のための有力な手がかりになり得る.すなわち,ある病巣候補陰影の特徴量がその候補陰影の場所に見合ったものなのか,また周辺の正常陰影との関係が妥当かどうかを検証することによって,その真偽を識別することができる.ここでは,特徴量の位置依存性と相互依存性の両方を主成分分析を用いて解析し,どこにどのような特徴量が存在しそうかを記述した特徴マップモデルを構築する手法を開発した. 上記研究について,英文論文誌2件,国内会議発表6件,国際会議発表1件の研究発表を行った.
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