研究課題/領域番号 |
17032010
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研究機関 | 愛知工科大学 |
研究代表者 |
宮崎 保光 愛知工科大学, 工学部, 教授 (00023169)
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研究分担者 |
後藤 信夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60170461)
黄 新民 愛知工科大学, 工学部, 助教授 (00262973)
高橋 港一 愛知工科大学, 工学部, 講師 (10335101)
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キーワード | 放射線、X線、粒子線 / 画像、文章、音声等認識 / 生体生命情報学 / スマートセンサ情報システム / ナノバイオ |
研究概要 |
生体組織における多波長X線の分光および散乱特性を検討するため、生体媒質のモデルにおけるX線ビーム波の散乱・透過特性に関する解析的手法による理論的検討およびコンピュータシミュレーションによる検討を行うと共に、軟X線を用いたX線画像計測システムの構築を行い、以下の良好な成果が得られた。 1.生体組織の多波長X線分光特性の計測システムの構築(宮崎、後藤、高橋) 生体組織によるX線散乱・透過特性の分光特性を実験的に検討するため、軟X線発生装置およびX線カメラを用いた計測システムの構築を行った。X線カメラかちの検出出力はコンピュータにより画像処理が可能である。 2.生体組織の多波長X線分光特性の理論的検討(宮崎) 生体組織における構成原子および組織の違いによるX線減衰係数の波長特性を明らかにすると共に、ランダムな生体媒質中におけるX線の透過・散乱界の統計的性質を理論解析により明らかにした。 3.X線分光機能素子、X線集束機能素子、X線反射機能素子の検討(宮崎、後藤) 多波長X線ビームの制御および処理に重要となる分光機能素子、集束機能素子および反射機能素子の構成要素におけるX線の伝搬特性を理論的に検討した。 4.生体組織のX線散乱特性のコンピュータシミュレーションによる検討(宮崎、黄、高橋) たんぱく質からなる生体組織をモデル化し、X線ビームに対する透過、散乱、吸収特性を有限差分時間領域(FDTD)法を用いたコンピュータシミュレーションにより解析を行った。また、波長に比べサイズの大きい生体組織におけるシミュレーションを行うため、領域分割による逐次計算手法および並列アルゴリズムに関して検討を行った。さらに、グリッドコンピューティングによる大規模領域の計算を行うための検討を行った。 5.多波長X線画像の信号、雑音特性の検討(宮崎、黄、高橋) 生体組織における多重散乱による軸方向画像新党、散乱雑音信号、側面横方向の散乱雑音特性を明らかにするため、コンピュータシミュレーションにより基礎特性を検討した。また、実験的計測システムの整備を行った。 本研究で得られたX線透過、散乱特性の波長依存性を基に、さらに理論的、実験的に検討を行っていくことにより、多重波長を用いたX線画像診断の信号処理、情報処理に有効なX線機能素子およびシステム構築への展開が可能となる。
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