研究課題/領域番号 |
17033002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野本 憲一 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (90110676)
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研究分担者 |
鈴木 知治 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (20280935)
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キーワード | 宇宙線 / 星の進化 / 超新星 / 極超新星 / 元素合成 / ブラックホール / スターバースト / 銀河団 |
研究概要 |
最高エネルギー宇宙線源の候補の一つと考えられる、超新星、極超新星、ガンマ線バーストなどの、宇宙における巨大爆発の性質を、理論的なモデル構築とぐ観測との比較により明らかにすることを目的とした。今年度の研究では、下記のような結果を得た。 1.極超新星の爆発の非球対称ダイナミクスとそれに伴う元素合成: 2006年2月に出現したX線フラッシュXRF 060218とそれに付随した超新星SN 2006ajの理論的モデルの構築を重点的に行なった。 非球対称ダイナミクスをより高精度で計算できるように、コードの改艮を図り、元素組成のより精密な計算を行なった.2次元、3次元モデルに対応するスペクトルと光度曲線の計算コードを開発して、ジェット状の爆発の計算に適用した。ジェット状爆発モデルにおける詳細な元素合成を計算し、巨大爆発によって放出される元素組成の特徴を明らかにした。種々の天体の元素組成との比較を行い、どの程度のエネルギーの爆発が関与しているかを、明らかにするための計算を行なった。 2.観測データとの比較と爆発モデル・パラメータの推定: 計算した多数の極超新星・超新星の元素合成モデルの予測する化学組成を、銀河のハローで観測されている極端な金属欠乏星の元素組成と比較検討した。観測される特異な化学組成を説明しうるような星の質量、爆発エネルギー、非球対称の程度などを推定した。 銀河の化学進化モデルに新たな計算結果を取り入れ、極超新星の発生頻度が金属量したがって赤方偏移にどのように依存するかを調べた。 3.巨大質量星の形成: 銀河の初期には、大量の質量降着によって大質量星が形成されるというシナリオがある。実際に質量降着の計算を実行し、300Msun以上の星が形成されることを確かめた。
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