• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

非トポケミカル固相重合系の極微反応解析

研究課題

研究課題/領域番号 17034015
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

鈴木 将人  名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (20179253)

研究分担者 中嶋 健  東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (90301770)
キーワード固相重合 / 重縮合 / 光学顕微鏡 / AFM
研究概要

1.極微観察に適した固相重合系の探索
以下の重合が無触媒で加熱のみによって固体状態を保ったまま進行することを見出した。
1)1,5-ビス[ヒドロキシ(4-メチルフェニル)メチル]ナフタレンが、電子供与性の置換基(メチル基)の作用によって中間体のカルボカチオンが安定化されることにより、熱重合(175℃)してポリエーテルを生成する。
2)アノマー位にフッ素を有し他はすべて未修飾の水酸基からなるいくつかのフッ化糖類が加熱(100-160℃)のみによって脱HFを伴って重縮合し、多分岐多糖を生成する。
3)2,5-ビス(ヒドロキシメチル)チロシン誘導体が、フェノール残基の自己触媒作用によって120℃で脱水重縮合する。
2.光学顕微鏡による固相重合のその場観察
上記1)〜3)の固相重合について、モノマーの結晶をホットステージ上で加熱し、光学顕微鏡によって観察を行った。いずれの場合も、偏光下で明るく光っている結晶部分が重合の進行とともに暗くなり、非晶質ポリマーの生成が示唆されたが、重合前の元の形態は維持されることがわかった。
3.AFMによる固相重合のその場観察
AMFを使って、3)の重合について、さらに微小な解析を行った。その結果、125℃で加熱後6時間までは全く結晶形態の変化が見られないが(誘導期)、その後、急激に形態が変化し、10時間後には流動が起こっていることが観察された。誘導期ついては、光学顕微鏡観察においてもその存在が示唆された。結晶に欠陥が生じそこから反応が始まるためには、ある程度の加熱時間が必要であり、一旦反応が始まるとそこを基点に急速に重合が進行するものと推察される。反応によって結晶格子が壊れ、モノマー分子とポリマー分子の局所的な混融状態によって流動が起きていると考えられる。ナノレオロジー変化のマッピング等、今後研究を続ける必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Thermal Polycondensation of Sugar Fluoride to Form Highly Branched Polysaccharide2007

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Kanazawa, Shingo Namiki, Masato Suzuki
    • 雑誌名

      Journal of Polymer Science, Polymer Chemistry 45(印刷中)

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi