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2005 年度 実績報告書

MSGC型検出器を用いた光誘起結晶相反応の時分割X線解析

研究課題

研究課題/領域番号 17034016
研究機関東京工業大学

研究代表者

植草 秀裕  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60242260)

キーワードMSGC型検出器 / 単結晶構造解析 / 粉末結晶解析 / 結晶相光反応 / 熱相転位
研究概要

本研究は二次元X線検出器を用いることにより、結晶内で起こる化学反応の開始から終了までを三次元結晶構造変化の観点から追跡することを目的としている。特に検出器としてリアルタイム性のあるMSGC型検出器の使用を想定していること、また、化学反応により単結晶が崩壊する系について、粉末結晶解析法を用いることが特徴である。
平成17年度の研究実績は次の通りである。
(1)新しい設計に基づくMSGC型検出器の開発試験を行った。基本的な性能を確認するために、高出力型の実験室系X線発生装置を用い、検出器の長時間安定性、及び、感度の均一性を測定した。時間安定性では高強度のX線入射時でも1日以上安定した検出感度を保持し、基本設計に問題がないことが分かった。また、感度均一性、信号の直線性にも問題はなく、特性は市販の二次元検出器と十分に比較できるものであった。これにより、本検出器は特に放射光を利用した時分割測定に向いていることが明らかとなり、J.Synchro.Rad.誌に報告した。
(2)結晶相光反応による構造変化を追跡した。5メチルピリドン誘導体結晶では、熱相転移により光反応性のない相から反応性を持つ相へと変化する。しかし、転移後は結晶が粉末化し、単結晶構造解析は不可能であった。そこで粉末X線回折データから直接的に三次元結晶構造を導く粉末結晶解析法を用いて、結晶構造を明らかにした。相転移により5メチルピリドン誘導体結晶が互いに平行で近い位置に移動することが分かり、相転移メカニズム及び光反応性を明らかにすることができた。この結果は現在投稿中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Direct Observation of Deuterium Transfer in Crystalline-State Chiral Thiolactam Formation by Neutron Diffraction Analysis2006

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Hosoya, Hidehiro Uekusa, Yuji Ohashi, Takashi Ohhara, Ichiro Tanaka, Nobuo Niimura
    • 雑誌名

      Acta Crystallogr.Sect.B, 62

      ページ: 153-160

  • [雑誌論文] Neutron Diffraction Analysis of the Deuterium Transfer in the Photoinduced 4-1 Isomerization of a 4-Cyanobutyl Cobaloxime Complex2006

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Hosoya, Hidehiro Uekusa, Yuji Ohashi, Takashi Ohhara
    • 雑誌名

      Bull.Chem.Soc.Jpn., 79(In press)

  • [雑誌論文] Development of μ-PIC as a time-resolved X-ray area detector2005

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Takeda, Hidehiro Uekusa, Toru Tanimori他
    • 雑誌名

      J.Synchrotron Rad. 12

      ページ: 820-825

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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