研究課題/領域番号 |
17034023
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
薩摩 篤 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00215758)
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研究分担者 |
沢辺 恭一 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (80235473)
清水 研一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60324000)
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キーワード | 銀 / クラスター / NO選択還元 / ディーゼル排ガス / in-situ分光 / 量子化学計算 / ダイナミクス解析 / 反応機構 |
研究概要 |
ディーゼルエンジンから発生する窒素酸化物(NOx)の除去法開発の取り組みが世界的に行われている。炭化水素による触媒選択還元法は有望な方式であり、担持Ag触媒は最有力候補の一つである。我々はAg触媒の特徴的な挙動として、表面Agが反応場に応じて可逆的に凝集・分散し、その際に生じるAgクラスターが極めて高い触媒活性を示すことを明らかにしている。本研究では表面Agクラスターの表面ダイナミクスと触媒反応活性の関係を検討する。本年度は次の3つの課題を実施し、次のような成果を得ることができた。 (1)Agクラスターのダイナミクス解析のため、in-situ UV-Visセル(日本分光との共同開発で既にVHR-630として市販)を短波長領域での分析に併せて改良し、反応類似条件下でのスペクトルを得ることに成功した。235nm付近に観察されるAgクラスターのバンドは温度の上昇に伴って減少した。Agクラスターの過渡応答による生成速度と分解速度の見積もりから、平衡状態でのAgクラスター量の変化を速度論的に説明することができた。 (2)鳥取大学奥村先生との共同研究で、AgクラスターのQXAFS(SPring-8)によるダイナミクス解析を試みたところ、200℃においてAgクラスターの形成・分解過程を追うことができた。 (3)第一原理計算によりAgクラスター形成機構を検討した。クラスター形成においてAgとヒドリドが結合したAg^+H^-が鍵になっていることが示唆された。
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