研究課題
本研究では、電気化学系において双安定状態を誘起し、その環境下での顕微分光により、この協同化学反応の分子レベルでの機構解明を試みてきた。平成18年度においては、前年度の成果を元に、実際に顕微分光法を用いて研究を進め、以下に示す成果を挙げた。1.電気化学反応波のチューニング電気化学系で現れる化学反応波の発現機構を解明し、そのチューニング法を数理モデルに基づく数値計算・非線形分岐解析により確立した。この成果に基づき、界面活性剤の電極表面上での周期的吸着・脱離を伴う反応波の制御が可能であることを実験的に示した。2.電気化学波の伝播を伴うAu薄膜成長過程の顕微分光による追跡電気化学波の振動伝播を伴う気液界面上でのAu薄膜成長過程を顕微可視光吸収および顕微ラマン散乱(SERS)によりその場追跡した。その結果、自発的な電位振動に同期したSERS強度の増減が観測された。SEMによる構造解析などから、これはナノ微結晶の集合体からなる薄膜が、化学波の伝播に同期して連続膜へとその形を変えることに起因することが明らかとなった。
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