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2005 年度 実績報告書

レーザー誘起核発生を用いたフォトクロミック結晶の多形成長制御

研究課題

研究課題/領域番号 17034038
研究機関大阪大学

研究代表者

佐々木 孝友  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029237)

研究分担者 森 勇介  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90252618)
吉村 政志  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60314382)
キーワードレーザー誘起核発生 / フォトクロミック結晶 / 非線形光学結晶 / 結晶育成 / クラスター
研究概要

レーザー誘起核発生現象のメカニズムの解明を目的として、従来から取り組んでいる有機非線形光学結晶DASTの過飽和溶液にフェムト秒レーザーを照射して結晶成長を行った。レーザー光が核発生に影響を与える際、溶液内のクラスター状態に大きく左右されると考え、本年度はある過飽和溶液状態に達してからレーザーを照射するまでの静置時間の効果を調べた。
フェムト秒Ti:sapphireレーザーを、静置後1時間の溶液に30秒照射した場合の析出確率は25%と、未照射の析出確率17%を僅かに上回る程度であった。一方、静置開始1日経てから同一過飽和溶液にレーザーを照射した場合は、残り4日の間に析出確率が60%に上昇することが明らかになった。このことから、レーザー誘起核発生の効果が顕著に現れるには、溶液のクラスター化がある程度進んだ状態であることが好ましいことが分かる。また、本研究から核発生効果が見られるのは、照射後2日間くらいの間であることも分かった。しかしながら、静置後2日経てから照射した場合は、逆に核発生確率が8%程度と低くなることも分かった。それゆえ、ある程度大きなサイズのクラスターに対しては、レーザー電場による引力に対して効果が出せなくなるという解釈ができる。これらの研究に基づき、レーザー照射部分に電場の勾配が生成し、適度な大きさのクラスターが引き寄せられて核発生が高まるというモデルが考えられる。
フォトクロミック結晶としては、1,2-bis(2-ethyl-5-phenyl-3-thienyl)perfluorocyclopentene(2Et5Ph)の溶媒蒸発法による結晶育成を行った。様々な溶媒を検討した結果、ヘキサンとアセトニトリルの層分離した混合溶媒系において、通常の平板状結晶(ヘキサン溶媒)と異なるバルク状の単結晶が得られることを確認した。結晶析出の状況をさらに検証した後、レーザー核発生に取り組む予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Growth of high quality DAST crystals for THZ applications2006

    • 著者名/発表者名
      S.Brahadeeswaran et al.
    • 雑誌名

      Journal of Crystal Growth (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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