研究課題/領域番号 |
17034039
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮田 幹二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029322)
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研究分担者 |
藤内 謙光 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30346184)
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キーワード | 有機層状結晶 / ナノ極微空間 / インターカレーション / ステロイド / 有機塩 / 機能性有機色素 / 単結晶X線構造解析 / 包接現象 |
研究概要 |
本研究は、有機層状結晶のナノ極微空間における、ゲスト成分の可逆的な吸着・脱離反応を調べ、これに伴うホスト分子集団のダイナミクスや結晶の形態変化を明らかにすることを目的としている。これまでに我々の研究グループは、ステロイドやサイコロ型超分子の層状結晶などで、可逆的インターカレーション現象が観測されることを見出している。これらの研究を基にして、結晶構造と反応との相関関係を調べ、ホスト分子とゲスト分子の動きが極微空間をいかに変動させるか、この変動に伴ってマクロの結晶がどのような形態変化を起こすかを検討する。 以下に得られた結果を列挙する 1.ステロイドや有機塩の層状結晶について、有用な包接ホストとなるかスクリーニングを行った。またホスト側への機能の付与を目的のため、酸性成分として機能性有機色素であるアゾベンゼン系スルホン酸、塩基性成分として種々の第一級アミンを用いた有機塩についてもスクリーニングを行った。これらの有機塩を様々な有機溶媒から結晶化させ、単結晶X線構造解析により明らかにした。 2.包接ゲストの吸着脱離反応について時間分解的な検討を行い、DSC、TG-DTAを用いた熱分析を行い、包接現象の選択性について知見を得た。非常に短時間の間にゲスト交換が進行していることが明らかとなった。このような結果は極めて珍しく、興味深い。 3.デジタルマイクロスコープを用いて微小結晶の形態変化及び光学的変化について観察を行ったところ、形態的変化は起こっていないことが明らかとなった。 4.また有機色素を用いた系では構造的および色調変化をともなってゲスト分子の吸着・脱離が行われていることが明らかとなった。
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