研究課題
孤立した1個の発光性量子ドットは、本質的に備えている断続的な発光の点滅現象を示すことが知られている。これは望ましくない特性なので、非点滅性の量子ドットは、時間に依存する生物的動的過程を連続的に研究する目的では要求が高い特性のひとつである。我々は単一量子ドットの点滅現象の制御に興味があり、量子ドット合成の反応温度や溶媒の種類と組成をパラメータとし、またカーボンナノチューブ、ポリマー、および金属あるいは半導体のナノ粒子を用いて、量子ドット表面を修飾した。本研究の重要な目的のひとつは、点滅を完全に抑制することである。表面の修飾により、量子ドットの発光特性が強く影響されること、そして、しばしば強く消光を起こすことを見出した。現時点で、CdSe量子ドットについて点滅の完全な抑制を達成していないものの、反応条件の制御および表面の装飾によって、下記のような重要な知見を得た。白色発光を示すCdSe量子ドットが有機金属化合物のコロイド成長反応を用いて室温(23℃)で合成された。これらの量子ドットは粒径分布が均一にもかかわらず、発光スペクトルの半値幅が150nmと広いことが特異的である。再現性の高い発光量子収率として0.4が得られた。さらに、mercaptosuccinic酸を用いて、この量子ドットの表面を修飾して可水溶化することも可能であった。量子ドットを用いたナノデバイスの開発では、種々の光および電子材料に量子ドットを制御して共役化させることが必要である。このような観点から、量子ドットを規則的に配置するための方法および量子ドットと共役化させた分子アセンブリの特性を評価することは重要である。本研究では、側壁を官能基で修飾した単層カーボンナノチューブにCdSe-ZnS量子ドットを共役化させ、それが量子ドットの発光特性に及ぼす影響を調べた。
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