研究課題/領域番号 |
17035016
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高山 廣光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90171561)
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研究分担者 |
堀江 俊治 城西国際大学, 薬学部, 教授 (50209285)
北島 満里子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (60195261)
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キーワード | インドールアルカロイド / オピオイド / 鎮痛性物質 / アカネ科 / 構造活性相関 / フッ素化 / オピオイド受容体アゴニスト / モルヒネ |
研究概要 |
熱帯産アカネ科植物Mitragyna speciosaからオピオイド受容体を介した鎮痛作用を発現するインドールアルカロイド7-hydroxymitragynineを見いだした。モルヒネとは基本骨格が全く異なる新しいタイプの本鎮痛作用発現アルカロイド類をリードとすることにより、生体内においてレセプターサブタイプに選択的でより強力なオピオイドリガンドの創製と、これを利用したオピオイド受容体におけるリガンド-受容体間の相互作用の分子機構の解析を計画した。 各種誘導体を用いた構造活性相関研究により、7位の水酸基が受容体結合能に大きな影響を持っていることが示唆された。そこで、ベンゼン環部へ各種官能基を導入した各種7-ヒドロキシ誘導体を合成し、置換基の違いによる構造活性相関の検討を行った。 Mitragynineをethylene glycol存在下PhI(OCOCF_3)_2と反応させると、2位と7位でethylene glycolが架橋した化合物を与える新規反応を見い出した。インドール環β位は求電子剤に対する反応性が高いため、インドールの形のままでは芳香環修飾が困難であったが、これを利用してベンゼン環上10位に各種置換基(各種ハロゲン、酸素官能基、ニトロ基など)を導入後、還元的にインドール体に戻し、さらにそれぞれの7-ヒドロキシインドレニン体へと変換することに成功した。 合成した化合物類についてオピオイド活性評価を行った結果、1)ベンゼン環上にフッ素を導入した化合物はオピオイド受容体フルアゴニストであり、その中の一つはモルヒネの約20倍の強力なオピオイド受容体アゴニスト活性を発現する、2)モルヒネと異なり、μ受容体ばかりでなくκ受容体にも作用していることなどが明らかとなった。また、上記7-hydroxymitragynineのin vivoでの活性評価を実施し、その有効性を示すことができた。
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