研究課題
星のまわりにある円盤の構造が、惑星や伴星の重力でどのようにゆがむか、ガスとダストそれぞれの成分について、モデル化する手法の開発を行った。まず、ダストのみがある円盤の場合について、ダストの軌道を制限3体問題を解くことにより求め、その軌道を多数のダストについて重ね合わせることにより、円盤の構造を求めるコードの開発を行い、ほぼ完成させた。このコードを使い計算を行った結果、以下のことが明らかになった。形成される円盤の構造は、円盤を構成するダストのサイズによって大きく変わってくる。ダストのサイズが大きいほど、惑星からより遠い共鳴に捕獲され、より長い時間捕獲が維持されるためである。その結果、大きいダストが作る構造は、大きなスケールになり、小さなダストは、小さいスケールの構造を形成することがわかった。また、惑星質量が大きい場合も、より遠い共鳴にダストが捕獲され、大きなスケールの構造ができることがわかった。次に、ガスがある場合については、伴星の重力によってどのような構造が形成されるかを、半解析的に導き出す手法を開発した。ガス流体素片の軌道要素の時間進化の式を、永年摂動論を使って求めた。この定式化において、ガスの圧力を摂動と見なすと、強制力のあるシュレーディンガー方程式に帰着されることを見いだした。この方程式を解き、円盤の構造を求めると、円盤内にバナナ様の構造が形成されることがわかった。これは、若い星である、HD142527のまわりにある円盤の構造と酷似している。この星には、まだ発見されていない伴星があり、その重力によってバナナ様の構造が形成された可能性があることを指摘した。
すべて 2006 2005
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