研究課題/領域番号 |
17040002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戸津 健太郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60374956)
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研究分担者 |
江刺 正喜 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20108468)
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キーワード | スキャナ / 光ファイバ / 光駆動 / カンチレバー / MEMS / 低侵襲検査治療 / アクチュエータ / マイクロマシン |
研究概要 |
極薄のL字形カンチレバーをアクチュエータに用いて光で駆動することで超小形の2次元光スキャナを実現する。フォトダイオードを用いて電流を生み出してスキャナを駆動する予定であったが、レーザ照射による光熱変換を用いるとより安全で簡単に駆動できることがわかり方式を変更した。 1光学薄膜の設計 スキャナ駆動用のレーザ波長である約660nm、治療・観察用のレーザ波長である約530nmを選択的に透過・反射させる誘電体多層膜(Ta2O5/SiO2)フィルタの設計をした。 2スキャナの設計・製作 カンチレバーを構成するバイメタルの材料として、ポリイミドの厚さを0.1μm、金の厚さを0.1μmとするとき、目標とする10°の変位角を得るためには20℃程度の温度上昇が必要であることがわかった。次に光熱変換材料として用いる厚さ0.1μmのクロムの平板表面に、レーザ(10mW)を1ms照射したとき、中心でおよそ80℃、中心から20μm離れたところでも40℃の温度上昇が見込めることがわかった。次に1kHz、10kHzの周波数で熱を与えたとき、熱拡散長はそれぞれおよそ200μm、60μmであり、長さ20μm程度のカンチレバーを十分駆動できることがわかった。これらの結果から、光駆動型のマイクロスキャナの可能性が示された。シリコン基板上にカンチレバーとなる金薄膜、ポリイミド薄膜、光熱変換を行うクロム薄膜、ミラーの土台となるガラス薄膜をそれぞれ成膜して微細加工を行った。大きさは100μm以下である。XeF2により気相でシリコンをエッチングし、カンチレバーをリリースした。予定していた通り、膜の残留応力によりカンチレバーが立ち上がり、ミラーが傾いた構造が得られた。製作したカンチレバーに波長658nm、出力80mwの半導体レーザを周期的に照射させたところ、レーザの照射周期に同期してカンチレバーが駆動することを確認した。
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