研究課題/領域番号 |
17040009
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
橋本 研也 千葉大学, 工学部, 教授 (90134353)
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研究分担者 |
山口 正恆 千葉大学, 工学部, 教授 (00009664)
大森 達也 千葉大学, 工学部, 助手 (60302527)
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キーワード | 弾性表面波 / 液体流動 / アクチュエータ / 集束電極 / 導波路 / 導水路 / 光プローブ / 電気音響変換器 |
研究概要 |
本研究では、アクチュエータ応用に特化した高性能弾性表面波(SAW)変換器の実現を目指している。格段な高効率化が実現できれば、新しい原理に基づくSAWアクチュエータ等の応用が創出される可能性がある。ここでは、特に超高周波動作による電力密度上昇に基づく高効率化について着目する。 まず、マイクロアクチュエータ用動力源としてのSAW変換器の最適設計手法確立を目指した。通信機器応用のものと異なり、帯域外抑圧比や通過帯域幅は重要でないので、変換器の寸法と変換効率のみに着目して、素子構造を最適化した。そして、400MHz帯で大きな方向性を示す変換器を設計・試作し、理論通りのほぼ無損失の素子を実現した。また、そのSAW伝搬面上に微小水滴を置くことにより、18dBm程度の入射電力で液体の搬送を観測した。次にこの設計を湾曲した電極構造に直ちに適用し、円弧状の方向性変換子の実現を目指した。即ち、円弧の焦点位置にSAW導波路端を設置することにより、SAW導波路への高効率パワー注入を試みた。まず、異方性を考慮して円弧状の方向性変換子を設計・試作した。そして、現有の光プローブ装置によりSAWの伝搬の様子を観察し、SAWが集束して導波されてゆく様子が確認された。最後に、導波路上に微小水滴を置くことにより、12dBm程度の入射電力で液体の搬送を観測した。 現段階では、駅滝の寸法が大きく、搬送に必要な電力がまだ大きい。今後、導波路とほぼ同一寸法の導水路を設けると共に、微小液滴を実現する構造を実現し、必要電力の一層の削減を目指す予定である。
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