研究課題
本研究では、アクチュエータ応用に特化した高性能弾性表面波(SAW)変換器の実現を目指している。格段な高効率化が実現できれば、新しい原理に基づくSAWアクチュエータ等の応用が創出される可能性がある。ここでは、特に超高周波動作による電力密度上昇に基づく高効率化について着目する。本年度は、SAW変換器を帰還素子として自励発振器を構成することを検討した。これは、温度や負荷の変動に自動的に追従してマイクロアクチュエータに電力を供給することを目指している。これまで検討してきた一方向性変換器の構造では、インピーダンスの周波数特性が特異なため、自励発振器構成では最適な条件で駆動できないことが判った。そこで、双方向性変換器と反射器を組み合わせた構造を薪たに開発し、理論通りのほぼ無損失の素子を実現した。次にこの設計を湾曲した電極構造に適用し、円弧状の方向性変換子の実現した。最後に、円弧状電極の焦点位置に配置した導波路上に微小水滴を置くことにより、12dBm程度の入射電力で液体の搬送を観測した。また、SAW導波路周辺に、導水路と液溜を設け、SAWによって発生する液体流動による微小滴の形成を試みた。検討の結果、水溶性ホトレジストにより適切なパターンを形成でき、大きな液体流動を観測できたが、水の表面張力の影響が強く現われ、現段階では液滴としとて分離するまでには至っていない。今後、液溜構造の最適化を進め、微小液滴の実現を目指し、さらに液滴搬送に必要な電力のより一層の削減を目指す予定である。また、SAW変換器を帰還素子とする自励発振鋸の回路構成についても検討を進めたいと考えている。
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