研究概要 |
Ti-Nb-Al合金において,形状回復量を決定する「双晶変形」の双晶系,双晶変形量の組成依存性を定量的に明らかにした.格子定数とマルテンサイト変態温度のNb, Al濃度依存性を系統的に調査し,室温で大きな回復歪みを発現させるための合金設計指針を得た.Nb,Alはともに40K/mol程度の変態点低下をもたらすことが変態温度の精密測定によって明らかとなり,変態歪みは主にNb濃度に依存し,Nb濃度の低下とともに大きくなるという知見を得た.これらの結果から,本合金においてはNb量をなるべく低くし,Al添加量を増加させることによって,室温で大きな形状回復歪みが得られると分かった.また,母相状態におけるTiNbAl形状記憶合金の圧延・再結晶集合組織の集合組織種・強度と冷間圧延率の関係を明らかとした. 以上要するに,結晶方位配向化による形状記憶合金の高性能化を行う上で必要となる,形状記憶特性の結晶方位・合金組成依存性を明らかとしたことが本年度の主な成果である.
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