本研究では、シリカコロイド結晶を鋳型に用いて得られる構造色を示すゲルにルテニウム錯体を導入したゲルを調製し、BZ反応という非線形化学反応に連動して蠕動運動するソフトマテリアルの周期や蠕動運動時の膜厚変化を分光学的に調査できるシステムの開発に取り組んできた。最近の研究結果から、BZ反応に連動して蠕動運動をしているゲルに特定の波長の光を照射すると、その光量に応じて蠕動運動の振幅や周期が変化することが分かった。また、光の照射形状によって、蠕動運動のする部分め形状や蠕動運動の方向も制御できることが分かってきた。 平成17年度 BZ反応という非線形化学反応に連動して蠕動運動するソフトマテリアルの開発に成功した。また、本ソフトマテリアルは温度変化に応じて、その蠕動運動の周期を変化させることがわかった。 本内容は、Nature Materials誌の紹介記事に取り上げられた。 平成18年度 平成17年度までに開発した"BZ反応に連動して蠕動運動するソフトマテリアル"の動きを光の照射によって、その周期性、運動の方向、運動部位などを制御することに成功した。精置状況下では、ランダムな動きを示すBZ反応に連動したゲルの動きを、BZ反応の触媒として働くルテニウム錯体が強く吸収する光(450nm)を照射することで、その反応の抑制とともに、ゲルの動きにも影響を与えられることを明らかにした。本ゲルは、BZ反応以外の非線形化学反応とも連動した系を調製できるのでその応用範囲は広い。
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