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2005 年度 実績報告書

水素吸蔵合金を利用したパワーアクチュエータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17040022
研究機関長崎大学

研究代表者

香川 明男  長崎大学, 工学部, 教授 (00093401)

研究分担者 大貝 猛  長崎大学, 工学部, 助教授 (60253481)
水本 将之  長崎大学, 工学部, 助手 (90325671)
キーワード水素貯蔵合金 / 体積変化 / 積層構造 / バナジウム合金 / 相変態 / パワーアクチュエータ / 曲げ変形挙動 / 銅メッキ
研究概要

水素貯蔵合金は,水素吸脱蔵時に大きな体積変化を示すことが知られており,この体積変化は相変態に起因することから,小型・高出力のパワーアクチュエータへの応用が期待される.本申請課題では,この体積変化を利用したパワーアクチュエータを開発するために,機械加工が容易で,常温・常圧近傍での水素吸蔵量が大きいバナジウム合金を用いたアクチュエータの変形挙動を調べた.水素吸脱時の合金の体積変化を曲げ挙動に変換するため,アーク溶解により作製したV-5及び10at%Ti合金を幅1.2〜5mm,長さ40mm,厚さ40μmの短冊状に加工した試料の片面に,電解メッキにより厚さ40μmの銅メッキを施して,合金/メッキ積層モジュールを作製した.変形時の合金/メッキ界面の剥離を防止するために,850℃,2時間の真空熱処理することで合金/メッキ界面を拡散接合させた.作製したモジュールを,形状変化測定装置内に配置し,10atmの水素を導入して,その変形挙動を観察した.幅5mmのモジュールが最も大きな変形を示したが,幅方向への変形も大きく,合金表面に亀裂や剥離が生じた.幅1.2mm及び2.5mmのモジュールは,幅5mmのモジュールよりも変形は小さかったが,合金/メッキ界面の剥離は観察されなかった.従って,曲げモジュールを作製する場合には,幅2.5mm以下が望ましいことがわかった.次に,3atmの水素を導入して,レーザー変位計により変形挙動を観察した結果,いずれのモジュールも水素導入後直ちに変形を開始し,約600秒後に変形を終了した.また,V-5at%Ti合金を用いたモジュールは約2.5mm,V-10at%Ti合金を用いたモジュールは約5mmの水平方向への変位を示した.変位量の違いは,用いた水素貯蔵合金の水素貯蔵量の違いに起因すると考えられる.以上の結果から,水素貯蔵合金の組成及び水素圧力を制御によりモジュールの変形挙動が制御可能なことがわかった.今後は,変形力やサイクル特性などについて調べ,変形挙動に優れ,かつ耐久性に優れた各種モジュールの試作を行う.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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