研究課題/領域番号 |
17040024
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
伊原 正 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (70261039)
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研究分担者 |
筏 義人 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (00025909)
矢田 公 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (80093152)
中村 太郎 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 助手 (70373082)
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キーワード | アクチュエータ / 電解質膜 / 人工筋肉 / センサー / ポリマー / 人工呼吸器 / 応力モデル / 能動機能臓器 |
研究概要 |
17年度は、センサー・アクチュエータ複合体応用を念頭に、人工呼吸器の気流量センサーを試作した。これは、イオンポリマー電解質膜が水を必要とする膜であり、人工呼吸器の場合は加湿器を用いるため、この環境下でのセンサ動作を確認した。また、センサー出力をアクチュエータにフィードバックし、呼吸回路中に堆積した痰などの排出物をアクチュエータで取り除く応用を検討した。 また、イオンポリマー電解質膜を任意形状、任意厚に作成する手法を確立した。これは、まずNafion粒子を加熱プレスし、円形の膜を作成する。Nafion粒子の量と加熱時間によって膜の厚さが決まる。この膜を加水分解中に任意形状の型にはめ込むと、その形状がめっき後も保たれることによって達成される。このプロセスには、加熱攪拌器、定温振盪器、精密天秤を利用する。膜力学特性計測用には、本申請で整備したポテンショスタット/ガルバノスタットを用いて定電流・定電圧を維持したパルス波による応答特性を、既存の等尺性張力測定装置、等張性変位測定装置により測定した。 膜の金めっきでは、パーフルオロスルホン酸膜をイオン交換反応で金錯イオンを吸着させる。この金イオンを還元し、膜の表面に金を析出させる。金属めっきを施したパーフルオロスルホン酸膜の電圧印加の屈曲メカニズムとして、現在考えられている説は、印加電圧により膜内のナトリウムイオンが陰極側に引き寄せられ、その際に水分子を伴って移動するため、陰極側が膨潤、陽極側が退縮して膜が陽極側に屈曲するというものである。このメカニズムに基づいたモデルが提唱され、屈曲変位特性については、実験値と良好な一致をみている。応力発生のメカニズムについて基礎データを得て基礎モデルを構築した。
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