研究課題
初年度に得られた実験データ及び試作結果を元に、力学的機能をもった心筋細胞駆動型デバイスとして,電力を全く用いることなく、化学エネルギーだけで駆動するマイクロチューブポンプやマイクロバルブ等の流体制御デバイスと駆動力を用いて発電するデバイスの設計試作を行い、評価実験を行った。試作の結果、チューブの膜厚30〜40μm、直径2mm、全長6mmのマイクロポンプの駆動音部を試作することに成功した。また、駆動部に外部から力を加えて、ポンプ流動を確認した。また、本システムの高出力化のためには、筋カトレーニングのように細胞を刺激し、細胞自体の筋力性能を向上させる必要がある。そこで本特定領域内での連携において、生体に近く柔らかいアクチュエータであり,金とNafionという生体適合性のよいものからつくられているICPF (Ionic Conductive Polymer Film)アクチュエータを用いて、細胞と一体型でシンプルな構造をした細胞伸展刺激システムを共同開発することができた。また、発電素子においては、培養心筋細胞の拍動力による運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電素子の原理検証実験を行い、培養心筋細胞を圧電ナノファイバー上の任意の場所に接着固定するアセンブリ手法を確立できた。マイクロ空間内での培養心筋細胞のリアルタイム観察を行い、小型インキュベーター内の環境制御、細胞生命維持のための循環システムを構築し、アクチュエータ及びデバイスの性能評価を行い、高機能バイオMEMSデバイスを目指す指針が得られた。本研究に関する研究成果発表として、MicroTAS国際会議(平成18年11月、東京)、IEEE EMBS(平成18年9月、New York)で発表した。
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Proceedings of the 28^<th> Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society, New York, USA, September, (2006)
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