研究課題
日本原子力研究開発機構のJRR-3に設置されているHRPD回折計などを用いて、銅ハライドの中性子回折測定を行った。この結果を、熱振動における原子間の相関効果を第三近接原子まで取り入れた散漫散乱強度式を用いて、リートベルト解析を行った。熱振動における原子間の相関効果として、第一近接原子のみを取り入れた場合より、第三近接原子まで取り入れたほうが、微細な形状を再現できることがわかった。10Kおよび280Kの場合とも、相関効果の値として、最近接原子間において0.7、第二近接原子間では0.5、第三近接原子間では0.1が得られた。熱振動における相関効果は、原子間距離が大きくなると急激に減少し、第三近接原子間以上の距離ではほぼ無視できること、また、物質の種類および温度による依存性は比較的小さいことが判明したメカニカルアロイング法により作成したLiOHとNiOを、高温でアニーリングすることで、Liイオン導電体試料(LiNiO_2)を作成した。ボールミルで準備したLiOHとNiOを、まず400℃で5h、続けて500℃で5h、650℃で5hにわたりアニーリングを行った試料からの、中性子回折パターンにおいて、400℃ではブラッグラインの半値幅は非常に大きいが、高温でのアニーリングとともに急速に小さくなる。400℃の散漫散乱(バックグラウンド)は、複合系に含まれる水素のため、非干渉性散乱からの寄与が大きくなる。LiNiO_2複合系は、X線および中性子回折実験はほぼ終了し、ブラッグラインの半値幅から、結晶粒径のサイズ変化があることを確認した。
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