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2005 年度 実績報告書

Notch-Hesl経路による膵臓幹細胞の多分化能の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 17045003
研究機関筑波大学

研究代表者

須磨崎 亮  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (40163050)

キーワードNotch / Hes1 / Pancres / Stem cells / Pdx1 / Beta-cells / Gain-of-function / Transgenic mice
研究概要

膵臓の内分泌細胞と外分泌細胞は各々、膵臓幹細胞から産生されると想定されているが、幹細胞の実態やその分化の制御機構は不明である。本研究では、Hes1による膵臓幹細胞の分化制御の意義を明らかにすることを目的に、膵臓発生におけるHes1のgain of function studyを行う。
【方法】膵臓幹細胞に発現する転写因子Pdx1のプロモーター制御下に、Hes1とEGFPを発現するトランスジェニックマウスを作成し、膵臓発生を解析した。
【結果と考察】Hes1の発現量の多寡により膵臓幹/前駆細胞の分化の方向性や程度が大きく変化した。(1)Hes1の高発現ラインマウスの膵臓では膵管のみが形成され、膵実質細胞は全く発生しない。膵管の上皮細胞では未熟性を示すマーカー(Pdx1,Glut2,βカテニン)が検出されるので、Hes1の過剰発現により膵臓幹細胞の分化・成熟が完全に停止し、未分化能を維持したままの細胞が膵管にとどまった状態で出生したものと解釈した。なお、このラインでは胎児期にPdx1の発現する十二指腸でも絨毛がほとんど発達せず、同部位で腸閉塞をきたして死亡する。(2)Hes1の過剰発が低レベルの場合は、成マウスに成長するが、膵ランゲルハンス島やβ細胞の形成が不十分で、加齢に伴ってインスリン分泌低下型の糖尿病を発症する。これらの結果から、細胞内のHes1発現量によって成熟・分化が制御される細胞の範囲が異なり、Hes1遺伝子発現が著増すると膵臓幹細胞の分化が、やや低下すると内胚葉系前駆細胞の分化が抑制されるものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A Case of Shwachman-Diamond Syndrome Presenting with Diabetes From Early Infancy2005

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Kamota et al.
    • 雑誌名

      Diabetes Care Vol.28,Nr 6

      ページ: 1508-1509

  • [雑誌論文] Conversion of biliary system to pancreatic tissue in Hes1-deficient mice2004

    • 著者名/発表者名
      Ryo Sumazaki
    • 雑誌名

      Nature Genetics Vol.36

      ページ: 83-87

  • [図書] Annual Review糖尿病・代謝・内分泌2006

    • 著者名/発表者名
      須磨崎 亮
    • 総ページ数
      31-37
    • 出版者
      中外医学社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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