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2006 年度 実績報告書

新規コロニーアッセイ法による腎臓前駆細胞の単離と誘導

研究課題

研究課題/領域番号 17045027
研究機関熊本大学

研究代表者

西中村 隆一  熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70291309)

研究分担者 小林 千余子  熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (20342785)
キーワード腎臓発生 / 幹細胞 / Sall1
研究概要

Sallファミリーは種を越えて保存されたZincフィンガー蛋白である。我々はマウスSall1を発生期腎臓から単離し、この遺伝子が腎臓前駆細胞集団である後腎間葉に発現すること、このノックアウトマウスは腎臓を欠損することを見いだした。さらにSall1の遺伝子座にGFPを導入したマウスを作製し、腎臓前駆細胞集団である後腎間葉が光ることを確認し、さらにそこで発現する遺伝子群を同定している。本計画は、Sall1を使って、腎臓前駆細胞を同定する確実で信頼できる系を確立しようとするものである。
まず後腎間葉を解離して、Wnt4を発現するフィーダー上で培養すると、一個の細胞からコロニーが形成され、糸球体や尿細管など多系統の分化マーカーを発現することを見いだした。次いでSall1-GFPノックインマウスの後腎間葉細胞からは、GFPを強発現する分画からのみコロニーが形成された。さらにこのGFPを発現する後腎間葉細胞を再凝集させ器官培養すると,3次元立体構造を再構築できた。またSall1ノックアウトマウスからのコロニーは、分化や数は正常だがサイズが減少していた。これらの結果から、Sall1を強発現する間葉細胞分画に腎臓前駆細胞が存在し、Sall1はその増殖に関与していることが示唆された。このアッセイ系をフィーダー細胞が不要なように改善することを試みたが、未だ成功していない。これはフィーダーからWnt4以外の因子が供給されているためと考えられる。今後このアッセイは腎臓前駆細胞が分化していく際の系譜決定の解析に役立つと考えられ、組織や切片のレベルでしか検討されていなかった腎臓形成が、単一細胞レベルで解析できるようになる可能性を秘めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Mouse homolog of SALL1, a causative gene for Townes-Brocks syndrome, binds to A/T-rich sequences in pericentric heterochromatin via its C-terminal zinc finger domains.2007

    • 著者名/発表者名
      Yamashita K, Sato A, Asashima M, Wang PC, Nishinakamura R
    • 雑誌名

      Genes to Cells 12(2)

      ページ: 171-182

  • [雑誌論文] The murine homolog of Sall4, a causative gene in Okihiro syndrome, is essential for embryonic stem cell proliferation, and cooperates with Sall1 in anorectal, heart, brain and kidney development.2006

    • 著者名/発表者名
      Sakaki-Yumoto M, Kobayashi C, Sato A, Fujimura S, Matsumoto Y, Takasato M, Kodama T, Aburatani H, Asashima M, Yoshida N, Nishinakamura R
    • 雑誌名

      Development 133(15)

      ページ: 3005-3013

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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