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2006 年度 実績報告書

幹細胞の未分化性と骨髄内微小環境との相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 17045032
研究機関順天堂大学

研究代表者

服部 浩一  順天堂大学, 医学研究科, 助教授 (10360116)

キーワード幹細胞因子 / ケモカイン / トロンポポイエチン / マトリックスメタロプロテイナーゼ / 顆粒球コロニー刺激因子 / 血管新生因子 / 線溶系因子 / ストローマ細胞
研究概要

研究代表者らは、ある種のサイトカイン/ケモカインの投与、あるいは生体侵襲性を有する生理学的ストレスが、骨髄ストローマ細胞の機能を活性化し、組織幹細胞の成熟分化と末梢組織への動員、さらには末梢組織再生に作用するとの仮脱に至り、幹細胞の未分化性の喪失と骨髄内微小環境との新たな関連性について解析してきた。骨髄微小環境におけるストローマ細胞の活性化は、プロ酵素からのマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)への変換を促進し、Kit-ligandをはじめとするサイトカインプロセシングを誘導すること、またこれに応じて骨髄組織幹細胞の分化及びその増殖が賦活化され、さらに末梢血中に骨髄由来の各種組織前駆細胞を含む未熟な細胞が動員されること等が昨年度までの研究で明らかとなっている。今年度の研究では、MMPの活性化機構における血液線溶系因子群の重要性を示唆する基礎データを収集する一方で、マウス大腿虚血肢モデルを使用し、虚血肢における血管新生と壊死組織の再生機構における骨髄由来細胞の機能解析を中心とした研究を進めた。昨年度、末梢組織の再生過程においては、骨髄由来の各種細胞によって供給される血管内皮増殖因子(VEGF)が重要な役割を担っていることを解明したが、今年度の研究では生体内で特に血小板がVEGF担体として機能し、血小板増殖因子トロンボポイエチン(TPO)が血管新生を制御していること、さらにTPO遺伝子欠損マウスによる実験ではケモカインSDF-1が血小板数、機能を制御していること等が解明された。また本研究においてSDF-1及びVEGFシグナルは骨館内幹細胞の未熱性を喪失させ、分化成熟方向ヘシフトさせると同時に、骨髄由来のヘマンジオサイトと名付けられたVEGF受容体-1(VEGFRl)陽性CXCR 4陽性細胞を末梢へと動員させることで生体内組織再生を制御していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Increased soluble urokinase plasminogen activator receptor (suPAR) serum levels after granulocyte-colony stimulating factor treatment do not predict successful progenitor cell mobilization in vivo.2006

    • 著者名/発表者名
      Fietz Thomas
    • 雑誌名

      Blood 107

      ページ: 3408-3409

  • [雑誌論文] Cytokine-mediated deployment of SDF-1 induces revascularization through recruitment of CXCR4+ hemangiocyte.2006

    • 著者名/発表者名
      David K. Jin
    • 雑誌名

      Nature Medicine 12

      ページ: 557-567

  • [雑誌論文] 生体内血管新生および組織再生に関する新仮説-骨髄細胞動員を介した血管新生制御機構2006

    • 著者名/発表者名
      服部浩一
    • 雑誌名

      実験医学 24

      ページ: 2754-2760

  • [雑誌論文] 骨髄血管ニッチの機能解析2006

    • 著者名/発表者名
      秋山晴代
    • 雑誌名

      分子細胞治療 5

      ページ: 124-129

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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