研究課題/領域番号 |
17046015
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
梶原 康宏 横浜市立大学, 大学院国際総合科学研究科, 準教授 (50275020)
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研究分担者 |
辻 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (50339131)
掛樋 一晃 近畿大学, 薬学部, 教授 (30101405)
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キーワード | 糖ペプチド / ペプチド個相合成 / 共刺激糖タンパク質 / 糖鎖 / シアリル糖鎖 / 複合型糖鎖 / アシアロ糖鎖 / ネイティブケミカルライゲーション |
研究概要 |
T細胞表層に存在する共刺激糖タンパク質AILIM/ICOSの糖鎖機能解明の検討をおこなった。17年度からの検討でAILIM/ICOSは糖鎖を失うとレセプターとの結合親和力を失うことを明らかにした。また、AILIM/ICOSの89番目に結合した糖鎖が、その機能発現にもっとも大事であることを見出した。そこで、Fc部分には糖鎖を持たず、AILIM/ICOSの89番目にのみ糖鎖をもっAILIM/ICOS-Ig-Fcキメラを作製した。そして、グリカナーゼを用いてその糖鎖を切り出しキャピラリ電気泳動、質量分析をおこなって糖鎖構造を解析した。その結果、それら糖鎖は、2分岐複合型糖鎖を主とするものであった。また。その糖鎖は、末端にシアル酸を2つ、1つ持つものとアシアロ型が主要構造であった。これら糖鎖は、シアル酸をもつ酸性糖鎖と、中性のアシアロ糖鎖であることを明らかにした。このAILIN/ICOSは、89番目の糖鎖のC末端側に、レセプターとの結合ドメインが存在する。そこで、83番目からC末端側の結合ドメインを含む糖鎖ペプチドの合成を検討した。合成するペプチドは、鎖AILIMの83から135番目で、89、および110番目に糖鎖導入したものである。糖鎖は、シアル酸をもつジシアロ型およびアシアロ型糖鎖で、ペプチドとの結合方法は、既に報告したプロモアセトアミド法を利用した。また50個のアミノ酸からなるペプチドは、Native Chemical Ligation(NCL)を利用するフラグメント縮合により構築した。まず、N末端側(83-109)のペプチド鎖をFmoc固相合成法により合成し、そのC末端をチオエステルとして調製した。そして89番目のシステイン残基に糖鎖をプロモアセトアミド法を用いて導入した。そして、110から135番までのペプチド鎖もFmoc固相合成法により構築した。そしてN末端側の糖鎖ペプチドチオエステル体をNCLを利用して連結した。そして110番目のシステイン残基に2本目の糖鎖をプロモアセトアミド法を利用して目的とする糖鎖ペプチド誘導体の合成に成功した。また、この糖鎖構造を可変し、アシアロ型糖鎖をもつ糖ペプチドの合成にも成功した。現在、これら糖ペプチドを用いてAILIM/ICOSのレセプターとの結合に糖鎖構造がどのように影響するか調べている。
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