研究課題/領域番号 |
17046018
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
結城 伸泰 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (60285913)
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研究分担者 |
高久 静香 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50383013)
小鷹 昌明 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50322409)
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キーワード | 糖鎖 / 脂質 / シグナル伝達 / 神経科学 / 免疫 |
研究概要 |
各種抗ガングリオシド抗体と末梢神経障害との相関が臨床的に示されているだけでなく、GM1、GD1bを感作することによりモデル動物が樹立されている。しかしながら、抗ガングリオシド抗体の作用機序は明らかでない。本研究ではラット脊髄後根神経節(DRG)ニューロン初代培養系において、抗ガングリオシド抗体神経障害の発症機構を検討している。まず、ラットDRGニューロンにおけるガングリオシド発現の割合を免疫組織化学を用いて検討した。各種ガングリオシドの大型ニューロン、小型ニューロンの比率(%)は、GM1(大型ニューロン48%、小型ニューロン24%)、GD1a(72%、19%)、GD1b(63%、19%)、GQ1b(59%、21%)であった。次に、ラットDRGニューロンを初代培養し、b系列ガングリオシドに対するIgM抗体を有する感覚性運動失調型ニューロパチー、IgG抗GQ1b抗体陽性のフィッシャー症候群、IgG抗GM1もしくは抗GD1a抗体陽性のギラン・バレー症候群GBS、正常対照、疾患対照として筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症の血清を非働化し、最適条件で添加した後の細胞死率を求めた。この結果、対照血清では細胞死は惹起されなかったが、抗ガングリオシド抗体陽性の各種疾患患者血清では、高率に細胞死が惹起された。抗GD1b抗体による初代培養細胞死の検討でも濃度依存的に細胞死が惹起され、カスパーゼ系によるアポトーシスのシグナル誘導を確認した。抗ガングリオシド抗体陽性の各種疾患では抗ガングリオシド抗体がDRGニューロンに発現しているガングリオシドに結合し、アポトーシスのシグナルを誘導し、細胞死が惹起されることを確認した。
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