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2005 年度 実績報告書

Notch受容体のO-フコース転移酵素OFUT1と共同機能する糖核酸輸送体の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17046020
研究機関東京理科大学

研究代表者

松野 健治  東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (60318227)

キーワードNotch / CDG IIc / 先天性糖鎖合成障害 / GDP-フコース / GDP-フコース輸送体 / 細胞シグナル / 発生 / ショウジョウバエ
研究概要

先天性糖鎖合成障害のひとつCDG IIc(II型白血球接着不全症:LADIIともよばれる)は、白血球接着不全(白血球の接着欠損、再発性の感染症)に加えて、成長・精神遅延や、形態・骨格異常を伴う遺伝病である。CDG IIcは、GDP-フコースをゴルジ体内腔に輸送するGDP-フコース輸送体の遺伝子に起こった突然変異が原因である。糖核酸の一種であるGDP-フコースは、タンパク質や糖質へのフコースの付加に必要である。CDG IIcでの白血球接着不全は、白血球の表面にある糖鎖に、フコースが付加されないことが原因である。しかし、CDG IIcの重度の精神遅延や形態・骨格異常の原因は不明であった。
本研究では、ショウジョウバエをモデル系として用いることで、CDG IIcの病態の一部が、Notch情報伝達の低下によって説明できる可能性を示唆できた。GDP-フコース輸送体遺伝子に突然変異が起こったショウジョウバエでは、Notch受容体へのフコースの付加が不十分であった。Notchへのフコース付加は、その機能に必要なため、このショウジョウバエ突然変異体では、Notch受容体による細胞シグナル伝達が阻害された。さらに、哺乳類培養細胞においても、GDP-フコース輸送体は、Notch受容体による細胞シグナル伝達に必要であった。ヒトの神経や骨の細胞が形成されるときにも、Notch受容体が細胞シグナルを正しく伝達する必要がある。CDG IIc患者では、Notch受容体の機能が低下しており、これが、精神遅延や形態・骨格異常の原因であると考えられた。この成果は、治療法の開発の指針を示したものとして重要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A-Drosophila unconventional myosin reverses the default handedness in visceral organs2006

    • 著者名/発表者名
      Syunya Hozumi
    • 雑誌名

      Nature (印刷中)

  • [雑誌論文] The first deltex null mutant indicates tissue-specific deltex-dependent Notch signaling in Drosophila2006

    • 著者名/発表者名
      TaKashi J.Fuwa
    • 雑誌名

      Mol.Genet.and Genom. 275

      ページ: 251-263

  • [雑誌論文] A Drosophila model of congenital disorder of glycosylation IIc implicates the deficiency of Notch signaling in its pathogenesis2005

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki O.Ishikawa
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1021

      ページ: 18532-18537

  • [図書] 未来を拓く糖鎖科学2005

    • 著者名/発表者名
      松野 健治
    • 総ページ数
      467
    • 出版者
      金芳堂

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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