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2006 年度 実績報告書

アレルギー疾患の病態形成におけるメモリーTh2細胞の役割と分化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17047007
研究機関千葉大学

研究代表者

山下 政克  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (00311605)

キーワードアレルギー / メモリーT細胞 / GATA3 / MLL / 免疫記憶 / Bmil / Ink4a / Arf
研究概要

メモリーTh2細胞は、アレルギー疾患の病態に深く関わっていることが予想されているが、分化機構と病態形成における役割についての研究は、現在までほとんど行なわれていない。そこで本年度は、(1)メモリーTh2細胞の形質維持機構の解析、および、(2)メモリーTh2細胞生存維持機構の解析を行なった。
(1)の解析では、ヒストンメチル基転移酵素のMLLがメモリーTh2細胞におけるTh2サイトカイン産生能の維持に必要であることを明らかにした(Immunity.24:611,2006)。また、MLLはTh2細胞分化のマスター遺伝子であるGATA3の発現維持にも必要であり、MLL発現を人為的に低下させるとGATA3の高発現が維持できなくなることを示した。これらの一連の研究により、免疫記憶の維持にヒストンメチル基転移酵素であるMLLが関与していることが初めて示された。この結果から、分化してしまったメモリーTh2細胞の機能をコントロールすることで慢性アレルギー疾患の病態を制御できる可能性も示唆された。
(2)については、メモリーTh2細胞の形成(生存維持)には、ポリコーム群遺伝子のBmilが必要であることを見いだした(投稿中)。Bmil欠損エフェクターTh細胞の移入では、形成されるメモリーTh細胞数が極端に低下する。この現象は、Bmilの標的遺伝子と考えられている細胞周期阻害蛋白であるInk4aや細胞死誘導蛋白であるAfrが欠損したBmil欠損細胞でも認められたことから、メモリーTh細胞形成におけるBmilの標的遺伝子は、Ink4a/Arfの他にも存在することが予想された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Chromatin remodeling at the Th2 cytokine gene loci in human type 2 helpe T cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Kaneko, T.
    • 雑誌名

      Mol. Immunol. (In press)

  • [雑誌論文] Regulation of Th2 cell development by Polycomb group gene bmi-1 throug the stabilization of GATA3.2006

    • 著者名/発表者名
      Hosokawa, H.
    • 雑誌名

      J. Immunol. 177

      ページ: 7656-7664

  • [雑誌論文] Critical YxKxHxxxRP motif in the C-terminal region of GATA3 for its DN binding and function.2006

    • 著者名/発表者名
      Shinnakasu, R.
    • 雑誌名

      J. Immunol. 177

      ページ: 5801-5810

  • [雑誌論文] Hyperresponsive Th2 cell with enhanced NF-kB activation induce apoptosis dermatitis-like lesions in NC/Nga mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Tenda, Y.
    • 雑誌名

      J. Allergy Clin. Immunol. 118

      ページ: 725-733

  • [雑誌論文] Crucial role of MLL for the maintenance of memory T helper type 2 cel responses.2006

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, M.
    • 雑誌名

      Immunity. 24

      ページ: 611-622

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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