研究課題
我々はHTLV-I-TgマウスとIL-1RaKOマウスの2種類の関節リウマチモデルを独自に開発し、その発症機構の解析を行ってきた。マイクロアレイによる発症関連遺伝子の網羅的解析の結果、樹状細胞やマクロファージで発現するC型レクチンファミリーに属する遺伝子が、2種類のモデルマウスの関節局所で発現亢進していることを見いだした。本研究ではKOマウスを作製し、これらの遺伝子の、(1)樹状細胞の分化・増殖における役割、(2)抗原提示能に及ぼす影響、(3)関節炎発症における役割、を明らかにすることを目的とした。現在までにこのC型レクチンファミリーに属する遺伝子のうち、3種類のKOマウスを作製した。先に作製された2種類のKOマウスを解析したところ、これらのマウスは1次、2次リンパ組織における細胞の構成比や成熟度等については野生型と全く差を認めなかった。また、試験管内での抗原提示能を検討したが、野生型マウスと差は認められなかった。ところが、関節炎誘導実験を行ったところ、それぞれのマウスで、野生型マウスと有意に差があることが明かとなり、これらの分子が関節炎の発症に関与していることが示された。これらの遺伝子はモチーフの特徴から本来自然免疫への関与が示唆されるが、この様に獲得免疫反応にも関与していることが示されたことは興味深い。18年度はその詳細な機構を解析する予定である。
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