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2005 年度 実績報告書

好塩基球を介したTh1/Th2分化制御および感染に対する免疫監視機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17047016
研究機関信州大学

研究代表者

瀧 伸介  信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50262027)

研究分担者 肥田 重明  信州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10345762)
キーワードヘルパーT細胞 / 好塩基球 / サイトカイン / 免疫応答 / Fc受容体 / シグナル伝達 / アレルギー / 遺伝子欠損マウス
研究概要

2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)は、アレルギー性疾患の発症にかかわるとともに、寄生虫に対する感染防御にも重要である。しかしながらTh2応答の際に最初にその誘導性サイトカインであるIL-4を産生する細胞種については諸説がある。好塩基球はこれまでIL-4を産生すること、そしてアレルギー性炎症のエフェクター細胞として機能することが知られていたが、我々はこの細胞種がTh2細胞の誘導に重要であり2型免疫応答のイニシエータとして機能することを見出し、この細胞の増殖、IL-4産生の制御機構および感染防御機構における役割を明らかにする目的で研究を行っている。昨年までに、転写因子IRF-2を欠損するマウスでは好塩基球のIL-4産生能は正常であるが、そのIL-3に対する増殖応答が亢進しており、そのためにIRF-2欠損マウスでは低常時における好塩基球数の増多が見られ、その影響によってCD4陽性T細胞が自発的にTh2細胞へと分化する傾向のあることを明らかにした。本年度は、Fc受容体のシグナル伝達分子である_Y鎖(FcR_Y鎖)が、これまでに知られているFcε受容体の細胞表面への発現やFcε受容体を介したシグナル伝達のみならず、IL-4発現にいたるIL-3シグナルの伝達に必須であることを新たに見出した。すなわちFcR_Y鎖欠損マウスでは、IRF-2欠損マウスとは対照的に好塩基球のIL-3に対する増殖応答は正常であり、末梢免疫器官での好塩基球の頻度にも変化が見られなかったものの、IL-3で刺激してもIL-4を全く産生しなかった。そして同マウスより調製した好塩基球は野生型CD4陽性細胞をTh2に分化させる活性を失っていた。このことによって、FcR_Y鎖が増殖とサイトカイン産生にいたるIL-3シグナル伝達経路のうち、後者にのみ特異的に関与しているというシグナル経路間の新規なクロストークの存在を示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Negative control of basophil expansion by IRF-2 critical for the regulation of Th1/Th2 balance.2005

    • 著者名/発表者名
      Hida, S., Tadachi, M., Saito, T., Taki, S.
    • 雑誌名

      Blood 106巻

      ページ: 2011-2017

  • [雑誌論文] IFN regulatory factor-2 deficiency revealed a novel checkpoint critical for the generation of peripheral natural killer cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Taki, S.ほか
    • 雑誌名

      The Journal of Immunology 174巻

      ページ: 6005-6012

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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