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2005 年度 実績報告書

分化抑制因子Id2によるB細胞活性化・最終分化抑制機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17047022
研究機関京都大学

研究代表者

菅井 学  京都大学, 医学研究科, 助手 (90303891)

キーワード形質細胞 / Xbp1 / Blimp1 / 抗体産生 / IRF4 / LPS / TI-Ag
研究概要

目的:申請者はこれまで、分化抑制因子の一つであるId2の遺伝子欠損マウスの病態解析を行ってきた。その結果このマウスがTh2優位な環境をつくりだしていることを見い出し、この原因の一つは、CD8+樹状細胞の欠陥であることを示した(Sugai et al.,J Allergy Clin Immunol,)。一方、高IgE血症の主たる原因がB細胞におけるIgE特異的クラススイッチの亢進によるものであること(Sugai, et al.,Nature Immunol.)、さらには、Id2の遺伝子欠損B細胞に認められる、AID遺伝子発現亢進、また、クラススイッチ制御分子機構の一端を明らかにした(Gonda, et al.,J.Exp.Med, Sugai, et al.,Science)。本研究はId2欠損B細胞のさらなる解析から、Id2が成熟B細胞の活性化とその後の最終分化の負の制御因子であるということを見出したことを基礎として、この表現系の病因を分子レベルで明らかにし、分化抑制因子Id2が生体で担う機能を解明することを目的とする。これらの情報から、個体レベルでの免疫応答制御コントロールへの足がかりが得られるものと考えられる。
結果:Id2欠損B細胞はT cell independent antigenに対する反応性が亢進している。この性質は、LPS刺激脾臓B細胞を用いた、in vitro plasma cell分化誘導系においても確認された。また、野生型B細胞にId2を過剰発現することにより形質細胞分化は抑制された。さらに、in vitro Plasma cell分化誘導系において、分化に伴いId2量の減少することが明らかになった。これらのことから活性化B細胞内でのId2量がPlasma cell分化を抑制するのに重要であることが確認された。しかし、Id2の量と既知のplasma cell分化に重要である転写因子(Blimp1,Xbp1,IRF4等)の発現量、転写活性の変化との間に明らかな相関は認められなかった。
考察:Plasma cell分化制御機構に重要な因子は、ノックアウトマウスの解析から明らかになりつつある。Blimp1,Xbp1,IRF4等がPlasma cell分化誘導に必須である。Id2はこれらの転写因子群の発現を制御することや、機能を制御することによるのではなく、おそらく別の経路を介してPlasma cell分化を抑制している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A transmembane chemokine, CXC chemokine ligand 16, expressed by lympho node fibroblastic reticular cells has the potential to regulate T cell migration and adhesion.2006

    • 著者名/発表者名
      Hara, T., Katakai, T., Lee, J.H., Nambu, Y., Nagata, N.N., Gonda, H., Sugai, M., Shimizu, A.
    • 雑誌名

      International Immunology 18・2

      ページ: 301-311

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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