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2006 年度 実績報告書

転写因子Bach2によるB細胞活性化応答遺伝子プログラムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17047026
研究機関東北大学

研究代表者

武藤 哲彦  東北大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80343292)

キーワード免疫学 / 転写制御 / 形質細胞 / 遺伝子
研究概要

転写因子Bach2は、ノックアウトマウスの解析から、B細胞の活性化応答で重要な役割を担うことが予想された。平成18年度は、Bach2がBlimp-1遺伝子を抑制するという遺伝子プログラムのB細胞活性化応答での生理的意義の解明を目指した。第一に、形質細胞分化における役割を検討した。そこで、Blimp-1遺伝子の発現細胞をEGFPの蛍光でモニターできるレポーターマウスとBach2ノックアウトマウスを交配した。同マウスから採取したB細胞に対し、形質細胞分化の誘導をおこなった。その結果、Bach2ノックアウトB細胞集団からは、Blimp-1遺伝子を発現し(EGFP陽性)、形質細胞分化マーカー陽性の細胞が高頻度に出現するという結果を得た。また、Bach2ノックアウトB細胞では、野生型B細胞に比べて少ない分裂回数から高頻度に形質細胞分化への分化が誘導された。以上の結果から、Bach2/Blimp-1遺伝子プログラムは形質細胞分化の頻度を抑制的に調節すると考えられる。Blimp-1は、形質細胞分化を促進するとともに、抗体のクラススイッチ(CSR)を抑制することが知られている。そこで第二に、CSRでの同遺伝子プログラムの役割を検討した。Bach2とBlimp-1のノックアウトマウスを交配し、ダブルノックアウトマウスを作成した。このとき、ダブルノックアウトB細胞ではBach2ノックアウトB細胞のCSR障害が救済されるた。すなわち、Blimp-1遺伝子の過剰な発現がBach2ノックアウトB細胞のCSR障害の原因であることを明らかにした。本研究で、Bach2/Blimp-1遺伝子プログラムはB細胞の活性化応答で形質細胞への分化頻度を抑制し、B細胞にCSRを実行させるという重要な機能を有することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Bcr-Abl signaling through the PI-3/S6 kinase pathway inhibits nuclear translocation of the transcription factor Bach2, which repress the antiapoptotic factor heme oxigenase-12007

    • 著者名/発表者名
      Yoshida C.
    • 雑誌名

      Blood 109・3

      ページ: 1211-1219

  • [雑誌論文] Plasmacytic transcription factor Blimp-l is repressed by Bach2 in B cells2006

    • 著者名/発表者名
      Ochiai K.
    • 雑誌名

      The journal of biological chemistry 281・50

      ページ: 38226-38234

  • [雑誌論文] B細胞-形質細胞分化における転写因子Bach2の機能2006

    • 著者名/発表者名
      落合恭子
    • 雑誌名

      遺伝子医学MOOK 6号

      ページ: 75-79

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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