研究課題/領域番号 |
17047046
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
改正 恒康 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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研究分担者 |
星野 克明 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, 研究員 (50324843)
田中 貴志 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, 研究員 (00415225)
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キーワード | 樹状細胞 / Toll様受容体 / 免疫アジュバント / I型インターフェロン / 樹状細胞サブセット |
研究概要 |
形質細胞様樹状細胞(PDC)と呼ばれる樹状細胞サブセットは、Toll様受容体(TLR)の中では、核酸成分を認識するTLR7,TLR9を選択的に発現しており、これらのTLR刺激によりI型インターフェロン(IFN)を産生する。このI型IFN、特にIFN-αの産生誘導はPDC特有の性質である。セリンスレオニンキナーゼIKKαを欠損するマウスの解析により、IKKαは、このPDC特有の機能、TLR7/9刺激によるI型IFN産生誘導に必須であることが明らかになった。一方、TLR7/9刺激IKKα欠損PDCからの炎症性サイトカインの産生、および、ニューキャッスル病ウイルス刺激IKKα欠損線維芽細胞からのI型IFN産生誘導は正常であった。このウイルスは、TLR7/9を介さず、細胞質内受容体を介して認識されるので、IKKαは、TLR7/9刺激によるI型IFN産生誘導に選択的に関与していることが明らかになった。また、IKKαは、PDCにおいて高い発現を示す転写因子IRF-7と会合し、リン酸化し、活性化させることにより、機能していることも明らかになった。 また、PDC以外の樹状細胞(cDC)は、TLR7/9刺激により、IFN-αは産生しないが、I型IFNとしてIFN-βは産生する。このIFN-β産生誘導機構は、IFN-α産生誘導機構とは異なっているが、やはりIKKαを必須とすること、さらに、その作用機作は、PDCとは異なり、IRF-7以外の機能分子を介している可能性が高いことを見出した。IKKαは、樹状細胞サブセットを問わず、TLR7/9刺激によるI型IFN産生に必須であると考えられた。
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