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2006 年度 実績報告書

高度好塩菌の膜インターフェースにおける物質輸送の分子論的義盤

研究課題

研究課題/領域番号 17048008
研究機関中央大学

研究代表者

宗行 英朗  中央大学, 理工学部, 助教授 (80219865)

キーワードエネルギー全般 / 生物物理 / 分子機械 / 生体分子
研究概要

平成18年度は光イオンポンプの光化学サイクルを測定するための時間分解分光測定の調整などを行い,レーザーパルスの後2μ秒からのデータの取得が可能になった(以前は10μ秒).一方,海洋細菌が産出するレチナールタンパクでプロトンポンプを行うプロテオロドプシン(PR)の発現系を,北海道大学薬学部の加茂直樹博士から恵与していただき,これをもとにPCR法で210E, N220E変異体を作成した.これらの残基はバクテリオロドプシン(bR)のプロトン放出団(E194,E204)に対応するが,この変異導入によって蛋白内部の水環境の変化がおこり,シッフ塩基からプロトンをうけとるD97のpKaにも影響が出る可能性を期待している.大腸菌での発現は順調に成功し,現在,光化学サイクルとプロトンの出入りを測定するための準備を行っている.また昨年度,野生型のpRでpH3でも中性付近の約10%の起電性を持つことを我々の電気測定系で検出して,PRではD97と別のプロトン受容基が酸性領域で働いている可能性を指摘していたが,本年度は加茂博士から恵与していただいたD97N変異体の起電性についても検討した.その結果,中性からpH5付近でも起電性が確認された.我々の測定系では蛋白内部での電荷移動と膜の表から裏への正味の輸送の区別が付かないという難点があるが,シッフ塩基から最初にプロトンを受け取る役目をするD97の変異でも起電性が出ていると言うことは,プロトンの経路について何か他の残基が関与している可能性を強く示唆する.
また,東京大学分子細胞研究所の杉田博士(現 理研)の多大なる協力を得て,分子動力学計算のシステムを立ち上げた.現在比較的小さな蛋白質であるATP合成酵素のεサブユニットについてその構造変化を探るための計算を行っている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Single Molecule Energetics of F_1-ATPase Motor2007

    • 著者名/発表者名
      Muneyuki E, Watanabe-Nakayama T, Suzuki T, Yoshida M, Nishizaka T, Noji H
    • 雑誌名

      Biophys J. 92・5

      ページ: 1806-1812

  • [雑誌論文] AFM and TEM observations of alpha-helix to beta-sheet conformational change occurring on carbon nanotubes.2006

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama Y, Inoue Y, Muneyuki E, Haneda H, Fujimoto M
    • 雑誌名

      J Electron Microsc (Tokyo) 55・3

      ページ: 143-149

  • [雑誌論文] Kinetic mechanism of quinol oxidation by cytochrome bd studied with ubiquinone-2 analogs2006

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Y, Muneyuki E, Fujita D, Sakamoto K, Miyoshi H, Yoshida M, Mogi T
    • 雑誌名

      J Biochem (Tokyo) 139・4

      ページ: 779-788

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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