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2006 年度 実績報告書

CHPによるNa十/H+交換輸送体NHE1活性化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17048016
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

児嶋 長次郎  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50333563)

研究分担者 三島 正規  首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
キーワード構造生物学 / NMR / シグナル伝達 / タンパク質 / 分子認識
研究概要

動物細胞のNa^+/H^+交換輸送体NHE1はあらゆる組織に普遍的に存在し、Na^+濃度勾配をエネルギーとしてH^+を排出する二次性能動輸送体であり、増殖因子や浸透圧変化など多様な刺激に応答して活性調節を受ける。NHE1欠損マウスは成長速度が遅いだけでなく、運動失調やてんかん発作などにより約90%が致死で、NHE1が高次の生理機能に重要な役割を果たしていることを示唆している。このNHE1の活性化にはカルシニューリンB類似蛋白質CHPがNHE1のC末端細胞質ドメインに結合することが必須である。そこで本研究では、ヒト由来CHP1とNHE1のC末端細胞質ドメインとの複合体の立体構造をNMRによって決定することで、NHE1活性化機構の解明を目指した。
平成18年度は平成17年度に決定したCHP1-NHE1複合体のNMR構造を詳細に解析するとともに、変異体を用いた結合実験から、CHPによるNHE1認識機構とNHE1活性化機構を検討した。NHE1は約5ターンからなる両親媒性ヘリックスを形成し、4つのEFハンドで形成されるCHP1の大きな疎水性の溝と相互作用していた。相互作用面は1800Å^2を超える非常に広いものであり、これはCHP1とNHE1が強固な複合体を形成するという実験事実と一致した。複合体の全体的な構造はカルシニューリンA-カルシニューリンB(CNA-CNB)複合体の構造と似ており、CNA-CNBでは相互作用部位がCNBのNドメインからCドメインに及んでいるのに対し、NHE1とCHP1の相互作用部位はCHP1のCドメインに限定されていた。NHE1ペプチド単独での構造解析などから、CHP1はNHE1のC末端細胞質ドメインに結合することでNHE1のヘリックス構造を安定化し、NHE1の細胞質ループとの相互作用などの高次の複合体の形成を促進することでNHE1を活性化していると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] ^<15>N-^<15>N J-coupling across Hg^<11> : Direct observation of Hg^<11>-mediated T-T base pairs in a DNA duplex2007

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanaka
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 129

      ページ: 244-245

  • [雑誌論文] Solution structure of the cytoplasmic region of Na^+/H^+ exchanger 1 complexed with essential cofactor calcineurin B homologous protein 12007

    • 著者名/発表者名
      M.Mishima
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 282

      ページ: 2741-2751

  • [雑誌論文] NMR spectroscopic study of a DNA duplex with mercury-mediated T-T basepairs2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanaka
    • 雑誌名

      Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids 25

      ページ: 613-624

  • [雑誌論文] ^1H, ^<13>C and ^<15>N resonance assignments of the VAP-A : OSBP complex2006

    • 著者名/発表者名
      K.Furuita
    • 雑誌名

      J. Biomol. NMR 36

      ページ: 69

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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