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2005 年度 実績報告書

キメラ菌体を用いたバクテリアべん毛モーターの回転計測

研究課題

研究課題/領域番号 17049016
研究機関名古屋大学

研究代表者

石島 秋彦  名古屋大学, 工学部, 助教授 (80301216)

キーワードバクテリア / べん毛モーター / キメラ菌体 / 1分子計測 / イオンモーター / ナノ計測 / ステップ計測
研究概要

大腸菌などのプロトンモーターとビブリオ菌などのナトリウムモーターとのキメラ菌体を元に,回転計測に適した改変を行った.そして,イオンの流れと回転との関係,モーターユニットの数と回転数・発生トルクとの対応,モーターユニットの数と回転ゆらぎとの対応などについて実験を行い,トルク発生機構のメカニズムを明らかにしていく.さらに回転モーターの動作機構のモデルを構築し,その理論的挙動と実際の運動との対応をはかった.
バクテリアべん毛モーターにアクトミオシン,キネシンなどと同様にステップ状の運動があるかどうかは,回転が確認された70年代より問題とされていた点であり,ステップのあるなし,その大きさについてはイオンの流れと回転という機構を考える上で,非常に重要な問題である.
我々は,1)キメラ菌体を用いることにより,イオン濃度を制御できた,2)ステーターの発現量を制御することにより,1ユニットでの回転を計測できた,3)大腸菌を用いることにより,精度の高い計測が可能となった,4)新しい計測手法を用いることにより,ナノ計測分解能が向上した,などの点の向上により,世界で初めて1回転注のステップを計測することに成功した.そのステップの大きさは約14度であり,一回転中に26ステップ存在することとなる.この数は,ローター中のタンパク,FliGの数と一致し,ステーターがFliGと相互作用して回転トルクを生み出していることを強く示唆している.今後は,さらにステップの詳細について調べていく予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Formation and maintenance of tubular membrane projections require mechanical force, but their elongation and shortening do not require additional force.2005

    • 著者名/発表者名
      Inaba, T., Ishijima, A., Honda, M., Nomura, F., Takiguchi, K., Hotani, H.
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Biology 348

      ページ: 325-333

  • [雑誌論文] Direct observation of steps in rotation of the bacterial flagellar motor.2005

    • 著者名/発表者名
      Sowa, Y., Rowe, A., Leake, M., Yakushi, T., Homma, M., Ishijima, A., Berry, R.
    • 雑誌名

      Nature 437

      ページ: 916-919

  • [雑誌論文] The neck domain of myosin II primarily regulates the actomyosin kinetics, not the stepsize.2005

    • 著者名/発表者名
      Atsuko Hikikoshi Iwane, Hiroto Tanaka, Sayuri Morimoto, Akihiko Ishijima, Toshio Yanagida.
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Biology 353

      ページ: 213-221

  • [図書] 図解 高分子新素材のすべて2005

    • 著者名/発表者名
      石島秋彦
    • 総ページ数
      142-145
    • 出版者
      生体高分子メカニクス

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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