• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

キメラ菌体を用いたバクテリアべん毛モーターの回転計測

研究課題

研究課題/領域番号 17049016
研究機関東北大学

研究代表者

石島 秋彦  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80301216)

キーワードバクテリア / ナノ計測 / モーター / 1分子計測 / イオン
研究概要

バクテリアべん毛モーターは直径が高々40nmの回転モーターであり,バクテリアの運動機関として知られている.その原動力は,細胞内外のイオン濃度差であり,種により,プロトン,ナトリウムが用いられる.我々はこれら2種類のキメラ菌体を作成した.このキメラ菌体は,回転計測に適しており,回転機構の解明に重要な役割を果たす.また,バクテリア菌体内における情報のやりとり,モーター複合体の構築状況,モーターの回転の様子を明らかにするためには,菌体内の分子のイメージング技術が必須となる.菌体内のイメージングに関しては,従来のイメージング技術に比べて,菌体の小ささ(約2ミクロン,従来の細胞は10数ミクロン),さらには菌体が俵型をしていることからの光学的という問題がある.我々はエバネッセント照明を最適化し,バクテリア菌体内のGFP融合タンパクのイメージングを試みた.その結果,モーター構成タンパクの一つであるFliGとGFPの融合タンパクが菌体内を拡散運動している様子を観察することに成功した.さらに,蛍光輝点の重心解析により,拡散定数を見積もることに成功した.また,テザードセル法を導入することで菌体の回転中心とFliG-GFP融合タンパクとの輝点が一致することを明らかにすることができた.しかしながら,GFPのイメージングには退色という大きな壁が存在する.一般的にGFPの観察は約10秒程度で蛍光が退色するために,長時間の観察には適さない.そこで,我々は,ストロボ撮影を試みた.ストロボ撮影により,従来より10倍以上の観察時間を得ることができた.さらに,露光時間をビデオレートより非常に短くすることにより,従来では観察不可能であった早い拡散運動をとらえることが可能となった.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Visualization of functional rotor proteins of the bacterial flagellar motor in the cell membrane.2007

    • 著者名/発表者名
      Fukuoka, H.
    • 雑誌名

      J Mol Biol 367

      ページ: 692-701

  • [雑誌論文] Chara myosin and the energy of cytoplasmic streaming.2006

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto K
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol. 47

      ページ: 1427-1431

  • [雑誌論文] 現場で役立つバイオイメージング・光ピンセット 基礎編2006

    • 著者名/発表者名
      石島秋彦
    • 雑誌名

      バイオニクス 8月号

      ページ: 70-75

  • [雑誌論文] 現場で役立つバイオイメージング・光ピンセット 応用編2006

    • 著者名/発表者名
      石島秋彦
    • 雑誌名

      バイオニクス 9月号

      ページ: 68-72

  • [雑誌論文] 映像化された二次元液晶膜小胞の動的性質2006

    • 著者名/発表者名
      稲葉岳彦
    • 雑誌名

      液晶 Vol. 10.No. 3

      ページ: 48-56

  • [図書] 生物分子モーターのステップ計測と運動解析2006

    • 著者名/発表者名
      西山雅祥
    • 総ページ数
      29
    • 出版者
      物性研究
  • [図書] 科学立国日本を築く 極限に挑む気悦の研究者たち2006

    • 著者名/発表者名
      石島秋彦
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      日刊工業新聞社

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi